Project/Area Number |
23K14187
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 44010:Cell biology-related
|
Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
新井 健太 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所神戸フロンティア研究センター, 研究員 (00896392)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
|
Keywords | 細胞外小胞 / 蛍光顕微鏡 / 電子顕微鏡 / CLEM / ライブセルイメージング / エクソソーム / リポソーム / LiveCLEM |
Outline of Research at the Start |
細胞外小胞の一つであるエクソソームは、核酸やタンパク質を運び、それを受け取った細胞に影響を与えることで、様々な生命現象に関与している。しかし、直径が50-150 nmと非常に小さく、光学顕微鏡の分解能では観察が困難であるため、エクソソームの細胞間での伝達方法や細胞内での内包物の放出機構などは明らかにされていない。本研究は、生細胞蛍光-電子相関顕微鏡法(LiveCLEM)による単一エクソソームの観察手法を確立することで、エクソソームを介した分子の細胞間移送の仕組みを明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、細胞外小胞の一つであるエクソソームの動態解析手法の開発を行い、エクソソームの細胞間での情報伝達手法を解明することを目指している。本年度は、ペプチドタグ修飾miniSOG蛍光タンパク質を安定発現する細胞を樹立し、その細胞からminiSOG含有エクソソームが分泌されることを確認した。この細胞を培養した培養液からエクソソームを回収し、ウエスタンブロット、蛍光微粒子追跡装置を用いて導入効率を測定、および細胞へエクソソームの投与を行おうとしたが、回収効率が悪くエクソソームの回収手法の再検討を実施中である。回避策として、この細胞とHEK293T細胞を共培養しエクソソームの送達を観察した結果、HEK293T細胞上に粒子状の緑色の蛍光が認められたことから細胞外小胞内にminiSOGが含有されていることを確認した。共培養したHEK293T細胞を電子顕微鏡で観察したところ、蛍光タンパク質を含んでいると思われる100nm程度の小胞を細胞質内に確認した。今後DAB重合・オスミウム染色を用いたCLEM法、LiveCLEM法による観察をし細胞内でのエクソソームの動態解析を行う。 また、エクソソームを素材としたリポソーム(再構成エクソソーム)の作製手法の確立についても検討を行った結果、小胞を再構成できていることを電子顕微鏡観察により確認した。さらに再構成エクソソーム内にポリスチレンビーズや蛍光プローブを封入し、細胞内へ送達可能であることも明らかにした。今後、小胞サイズの調整や内包物の種類の選択、細胞に取り込まれたのちの動態解析を行う。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞内でのエクソソームを追跡するためのプローブの作製は順調に進んでおり、観察が行える環境が整っている。また、次年度に行う予定であった人工物を再構成エクソソーム内に取り込ませることで電子顕微鏡での観察を容易にする手法の確立も行えている。一方で、電子顕微鏡での観察が十分に行えていないことから概ね順調に進展しているとした。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究における観察対象のプローブ作成手法開発は順調に行われているため、今後は観察手法の検討に着手する。具体的にはDAB重合・オスミウム染色法による蛍光タンパク質の染色をし、CLEM観察によるエクソソーム膜の状態の解析を行う。さらに、再構成小胞を用いた細胞内への物質輸送による人工プローブを用いた小胞の動態追跡の検討も行っていく。
|