Project/Area Number |
23K14199
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 44020:Developmental biology-related
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
岩崎 美樹 北里大学, 一般教育部, 非常勤講師 (70792563)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 舌顎骨 / 破骨細胞 / 軟骨細胞 / 脂肪細胞 |
Outline of Research at the Start |
骨芽細胞による骨形成と破骨細胞による骨吸収によって、骨は常に新しい状態に維持されている(骨リモデリング)。骨の恒常性維持における破骨細胞の役割は詳細に解析されているが、骨の発生過程における役割はよくわかっていない。我々は、これまでゼブラフィッシュ舌顎骨の発生過程で、破骨細胞が周囲の軟骨細胞を脂肪細胞へ分化させることを示した。 本研究では、舌顎骨の発生過程における(1)破骨細胞の分化の仕組みと、(2)破骨細胞が脂肪細胞の分化を促進する仕組みを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
ゼブラフィッシュの舌顎骨は、初め軟骨が形成された後、形態変化を伴い硬骨へ置換する内軟骨性骨である。これまでに、舌顎骨の形態形成の際、破骨細胞と骨芽細胞による骨リモデリングが生じていること、また、mmp9を発現する細胞が舌顎骨の骨髄に浸潤し、軟骨組織が脂肪細胞に置換することを示した。本研究では、ゼブラフィッシュ舌顎骨形成過程における破骨細胞分化および骨髄における軟骨細胞から脂肪細胞へ置換する仕組みを明らかにすることを目的とする。 当該年度では、解析に用いるトランスジェニック系統の樹立を試みた。破骨細胞の前駆細胞であるマクロファージを標識するmpeg1.1.p:mCherry系統および、破骨細胞を標識するTRAP:H2B:mCherry (阪大・黒田先生よりplasmid 提供)系統を樹立した。また、軟骨細胞を標識するcol2-GFPcaax系統、脂肪細胞を標識するfabp4a-GFPcaax系統作成するため、受精卵にインジェクションを行った後、ファウンダーフィッシュのスクリーニングを行っている。 さらに、mmp9:GFP系統と軟骨細胞を標識するSox10:RFP系統を用い、mmp9発現細胞の軟骨組織への浸潤過程を詳細に観察したところ、mmp9発現細胞が軟骨細胞を取り囲み浸潤することが明らかとなった。このとき、mmp9発現細胞は軟骨細胞の細胞質基質の一部を貪食するような挙動を示した。一方、mmp9発現細胞に取り囲まれた軟骨細胞は、細胞質基質が減少し形態が変形した。変形した軟骨細胞は、その後、脂肪細胞へ分化、または細胞死する可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析に必要なトランスジェニック系統の樹立が進んでいること、および、それ以外の系統、Col2:H2B:mCherry(阪大・黒田先生より提供)や、mpeg1.1p.GFP(遺伝研・浅川先生提供)が得られたことで解析の進捗が期待できる。また、軟骨細胞の細胞外マトリックス(ECM)を蛍光プローブ(阪大・黒田先生提供)によって可視化することが可能になった。mmp9発現細胞が軟骨細胞を取り囲む際のECMの分解をパルスチェイスにより解析した結果、mmp9発現細胞が軟骨組織に浸潤するに従って、ECMの消失が見られた。また、ECMの消失が見られた軟骨細胞で形態が変形することが示された。
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Strategy for Future Research Activity |
Mmp9発現細胞は、軟骨細胞を取り囲みながら骨髄へ浸潤することから、軟骨細胞から脂肪細胞への置換にmmp9が働くことが示唆される。Mmp9は、コラーゲンなどの細胞外基質を分解する酵素であることから、ECMの分解が重要と考えられる。 今後、mmp9変異体、およびmmp9:GFP-NTR系統によるablation実験によりmmp9の機能解析を進める。また、脂肪細胞を標識するfabp4a-GFPcaax系統と併せ、軟骨細胞から脂肪細胞への置換過程を観察する。さらに、舌顎骨に局在するmmp9発現細胞の詳細を明らかにするため、トランスクリプトーム解析を進める。
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