落葉木本植物ポプラにおけるリンのシンク-ソース推移を制御する因子の探索
Project/Area Number |
23K14208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 44030:Plant molecular biology and physiology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
栗田 悠子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (00796518)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 樹木 / 輸送 / 季節 / リン / ポプラ / 転流 / RNA-Seq |
Outline of Research at the Start |
本研究では植物の多量必須栄養の一つであるリンに着目し、実験室内でポプラの四季を再現する短縮周年系を用いて、①放射性同位体追跡実験により各個葉のシンク・ソースの切り換えをシンク強度として数値化し、②季節・葉位ごとのRNA-Seqと合わせて解析を行うことで、シンク強度の推移とソース葉からの運び出しを制御する候補遺伝子群の同定を行う。さらに③短縮周年系と野外のRNA-Seqデータの比較解析から、野外における上記遺伝子群の寄与の評価を行い、樹木が2種類の転流をどのように使い分け、またどのように協働させて個体全体の転流を制御しているのか、その現象と分子基盤の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
長い年月を生き巨大な個体を構築する樹木において、土壌から吸収した貴重な栄養素を個体内で分配し、利用を最適化することは重要な成長戦略の一つである。落葉木本植物には季節的な栄養素の再分配(=転流)と、成長に伴う転流の2つの転流が存在する。しかし、この2つの転流は個別に研究されることが多く、樹木が季節と成長に沿った2種類の転流をどのように統合し、季節ごとに変化する供給器官(ソース)から需要器官(シンク)への輸送を制御しているのかは明らかではない。本研究の目的は、落葉木本植物における成長と季節に伴う個葉のリンのシンク-ソースの移り変わりを明らかにし、それらの転流を制御する候補遺伝子群を同定することである。リンを含めた各元素の個葉のシンクソースの移り変わりを明らかにするために、野外と実験室内系におけるポプラの葉位ごとにサンプリングについてICP-MSによる元素測定を完了し、現在は測定結果の解析を進めている。また転流を制御する遺伝子候補の抽出のために個葉の遺伝子発現データの解析を進め、その結果について植物学会にて発表を行った。上記の遺伝子発現解析により、野外と実験室内のそれぞれのポプラにおいて葉位または季節に沿って発現が変動する遺伝子群が得られている。これらの遺伝子群からリンの転流に寄与する遺伝子を同定するために、成長期に葉位に沿って発現が変動し、かつ季節的にもその発現が変化するいくつかの遺伝子について機能同定のためのクローニングを進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在得られている野外と実験室内で育成したポプラのRNA-Seqデータと元素測定の結果について個別の解析を進め、順次完了しているが、今後は野外と実験室内・遺伝子発現と元素含量の推移を統括的に解析する必要がある。また、実験室のRNA-seqデータに関して、一部取り直しが必要であるため、取り直しのサンプルを準備する間は、計画を変更して野外データの解析を優先して進める。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は短縮周年系で培養したポプラまたは野外で栽培した当年木のポプラを用いて下記の実験・解析を行う。 ① 放射性同位体追跡実験による葉位・季節ごとのシンク強度の数値化: ポプラの個葉のシンク強度が成長と季節に沿ってどのように推移するのかを明らかにするために、放射性同位体の32Pをポプラの根に与え、オートラジオグラフィーを行う。本実験では実験室内短縮周年系で培養されたポプラを用い、各ステージのポプラにおいて得られた結果の画像解析により各個葉へ輸送された32P量をシンク強度として数値化する。 ② 短縮周年系ポプラの季節・葉位ごとのRNA-Seqの追加取得: 実験室内系で育成したポプラについて、前回のデータでデータ点または反復の追加が必要と判断したサンプルの取得とRNA-Seq解析を行う。 ③野外ポプラの季節・葉位ごとのイオノーム解析とトランスクリプトーム解析の統合:測定が完了した野外のポプラの元素分析結果について、元素ごとの成長または季節に沿った転流の有無やその挙動を解析する。個葉のリン含有量については、季節・葉位の軸に沿った推移からその時点での見かけのリンの流入量(負の場合には流出量)を求めることができる。見かけのリン流入量とRNA-Seqデータからシンクまたはソースの機能に関与する候補遺伝子の抽出を試みる。 ④クローニング中の候補遺伝子の発現確認:候補遺伝子の中には興味深い傾向を示すものの、発現量が低いものがあるため、qPCRにより発現パターンの確認を行い、機能同定のための候補遺伝子を選抜する。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)