• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to previous page

藻類との共生関係を独立に築いた5つの地衣化菌の比較ゲノム解析

Research Project

Project/Area Number 23K14250
Research Category

Grant-in-Aid for Early-Career Scientists

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section Basic Section 45030:Biodiversity and systematics-related
Research InstitutionShinshu University

Principal Investigator

升本 宙  信州大学, 学術研究院農学系, 助教 (10883853)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2027-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Keywords担子菌類 / ゲノム / 菌類 / 藻類 / 共生
Outline of Research at the Start

地衣共生は菌類-藻類間共生の総称である。菌類は長い進化の歴史の中で,様々な系統においてそれぞれ独自に藻類と地衣共生する能力を獲得してきた。しかし,その共生機構の大部分は解明の途上にあり,地衣共生は最も謎に包まれた生物間共生系の一つとなっている。本研究の目的は,従来の研究では扱われていなかった担子菌門の地衣化菌を対象として,門内の5つの地衣化系統,並びに各系統と姉妹群をなす非地衣化系統のゲノムを比較することにより,地衣共生能力の獲得が菌類ゲノムに及ぼす影響を探ることにある。本研究によって従来の地衣共生の理解に新たな視点からの洞察が加わり,多様な地衣共生の全貌把握により一歩近づくことが期待される。

Outline of Annual Research Achievements

菌類-藻類間の地衣共生における遺伝的基盤は未だほとんどが未解明の状況にある。特に担子菌門の地衣化菌類はこれまでにゲノム比較の対象とされておらず,子嚢菌門の地衣化菌類と比較したときに,地衣共生に関わる遺伝的背景に共通点が見られるのかどうか明らかになっていない。本研究では,地衣化の起源が異なる5つの担子菌門の地衣化系統を対象として各系統の代表種のゲノム情報を取得し,地衣化菌類全般におけるゲノム比較を行い,地衣共生に関わる共通要素や各系統での独自性を探索することを目的としている。緑藻共生の地衣化担子菌類のゲノム情報はこれまでMulticlavula mucidaのものしか取得されていないため,同じく緑藻共生を営む別系統の担子菌類としてアンズタケ目カノシタ科に所属するBryoclavula phycophilaを対象生物に選定し,PacBio社のロングリードシーケンサーによる新規ゲノム配列の構築,及びIllumina社のショートリードシーケンサーのRNAseqデータに基づく遺伝子予測を行なった。Hifiasmを使用したアセンブルの結果,18コンティグからなるB. phycophilaのドラフトゲノムが得られ,ゲノムサイズは22.4 Mbであった。また,fungiのオルソログセットを用いたBUSCOv5によるゲノムの完全性評価では96%のスコアが得られた。ゲノム中の糖質関連酵素(CAZyme)の保有レパートリーについてdbCAN3を用いて調べたところ,約300のCAZymeが検出され,スクロース分解に関わるCAZymeを保有し,ペクチン分解に関わるCAZymeを欠く点は,既知の多くの地衣化子嚢菌類のゲノムと共通していた。今後は,B. phycophilaと同じアンズタケ目カノシタ科に所属するものの,分子系統の観点から独自に藻類との地衣共生能力を獲得したと推察されるM. mucidaとのゲノム比較を行い,地衣共生に関わる可能性が高い遺伝的要素の探索を進める予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

緑藻と地衣共生を営むBryoclavula phycophilaのドラフトゲノムは,BUSCOによるゲノム完全性の評価の結果で高いスコアが得られていることから,今後のゲノム比較の研究において利用可能なゲノム情報を取得することができたと考えている。次年度でのゲノムシーケンスを計画している菌株についても前培養が進んでおり,本年度と同様にロングリード配列とRNAseq配列を取得する準備が整っていると考えている。

Strategy for Future Research Activity

緑藻共生のBryoclavula phycophilaとMulticlavula mucidaのゲノム比較を行い,両者の共通点や相違点を明らかにすることで,地衣共生に関わる要素の抽出を試みる。また,緑藻との地衣共生を営む別系統の担子菌類として,レピドストロマ目に所属するSulzbacheromyces sinensisを対象生物とした新規ゲノム配列の構築を計画している。加えて,既にゲノム情報が得られているシアノバクテリア共生の地衣化担子菌類や緑藻共生の地衣化担子菌類とのゲノム比較を行い,地衣化担子菌類間での共通点や,緑藻共生とシアノバクテリア共生の系統での違いについて考察を進める予定である。野外採集においては,Bryoclavula phycophilaの追加採集を行い,共生相手の藻類の分類群の特定に関する研究を行うことも計画している。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report
  • Research Products

    (2 results)

All 2024 2023

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 担子地衣類の地衣体から分離されたCoccomyxa dispar近縁系統の分類学的研究2024

    • Author(s)
      升本宙,半田信司
    • Organizer
      日本藻類学会第48回大会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] 本州におけるイトアミゴケ属菌の多様性について2023

    • Author(s)
      升本宙,田中千尋
    • Organizer
      日本菌学会第67回大会
    • Related Report
      2023 Research-status Report

URL: 

Published: 2023-04-13   Modified: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi