Project/Area Number |
23K14260
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 45040:Ecology and environment-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
堀之内 祐介 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 特任助教 (10962714)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 生活環 / アオサ藻綱 / 進化 / 胞子体 / 最適戦略 |
Outline of Research at the Start |
海藻を含む多くの植物の生活環では、受精卵に相当する接合子が多細胞で複相の胞子体に発生する。一部の植物では接合子は、単細胞体に発生する。このような生活環の違いが生じた理由は不明な点が多い。研究代表者は、近年、アオサ藻綱の海産緑藻類でこれらの中間的な生活環に見える種内多型を発見した。本課題では、この特異な種内多型に着目し、その進化維持機構を数理モデルと検証実験により明らかにすることで、種内多型を含む異なる生活環は環境適応の結果生じたのかを検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、異なる環境に応じて生活環が多様化する原理を適応度パラメータと数理モデルにより示すことを目的としている。当該年度では、野外から分離・確立した単藻培養株の培養実験により、緑藻接合子が示す発生多型の生活史戦略としての特性を詳しく調べた。 発生多型がどのような条件で生じるのかを調べるため、水温、栄養塩濃度、光強度などが異なる条件で実験を行い、接合子が胞子体に発生する割合が周囲の環境からの影響を受けて可塑的に変化すること、一方で、全ての条件で発生多型が観察され、発生多型それ自体は環境に依存しないで生じることを明らかにした。また、個々の接合子の初期資源量(体積)と発生運命の関係を個体発生追跡により調べ、資源量が発生運命に影響しないことを示した。これは、この多型が時間的環境変動に適応した形質であることと矛盾しない。 また、胞子体発生が適応度の与える影響を調べるため、発生多型からなる2つの生活環経路の適応度を比較した。単離培養実験により、胞子体から遊泳細胞を介して生産される多細胞体の数を定量し、胞子体発生が接合子由来の単細胞体を大幅に増殖させ得ることを示した。胞子体由来の多細胞体の生産する配偶体の数と性比が、接合子から発生する単細胞体のそれらと大きく異ならないことを定量的に明らかにした。これにより、胞子体発生は単細胞体への発生に比べて、潜在的に高い適応的利益を持つことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に記入した培養実験による適応度パラメータを、おおむね集めることに成功しており、数理モデル構築への下準備ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた適応度パラメータをもとに、数理モデルを構築し、生活環の多様化原理を探索する。そこで得られた予測を集団間比較により検証する。
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