Project/Area Number |
23K14287
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 46010:Neuroscience-general-related
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
橋本 美涼 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (80805424)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | アルギニンメチル化 / ミエリン / オリゴデンドロサイト / インタラクトーム / PRMT1 / BioID / 翻訳後修飾 |
Outline of Research at the Start |
中枢神経系のミエリンは、グリア細胞の一種であるオリゴデンドロサイトがニューロン軸索を覆う構造であり、神経伝達を促進する。申請者は、タンパク質翻訳後修飾の一つであるアルギニンメチル化がミエリン形成に必要であることを見出しているが、詳細は不明である。 本研究では、in vivo近位依存性ビオチンラベリング(BioID)を用いてミエリン形成に寄与するアルギニンメチル化の標的基質の同定と、その機能解析を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
中枢神経系のミエリンは、グリア細胞の一種であるオリゴデンドロサイトが、ニューロン軸索を覆う構造であり、神経伝達を促進する。ミエリンの形成・再生は、オリゴデンドロサイト前駆細胞(OPC)の増殖と分化によって支えられているが、これを制御するタンパク質の翻訳後修飾の意義は不明点が多い。申請者は、タンパク質アルギニンメチル化酵素PRMT1の欠損マウスの解析から、PRMT1によるアルギニンメチル化がミエリン形成を駆動する鍵となる翻訳後修飾であることを見出している。 そこで本研究では、in vivo近位依存性ビオチンラベリングBioIDによるミエリン形成及び再生に寄与するPRMT1の基質同定と、その機能解析を目指した。 2023年度はまず、PRMT1-miniTurboノックイン(PRMT1-mT)マウスから単離したOPCやそこから分化したオリゴデンドロサイトを用いてBioIDアッセイを行い、PRMT1相互作用因子の同定に成功した。 ここで得られたPRMT1相互作用因子について、今後は、実際に相互作用するかどうかを共免疫沈降などで確認するとともに、メチル化サイトの同定を進めることでPRMT1の新規基質であるかどうか検証する。加えて、新規基質候補分子がメチル化されることによるミエリン形成における意義について明らかにするため、野生型OPCに新規基質(野生型)またはメチル化部位変異体を過剰発現し、増殖能や分化能について比較評価する。そこで、機能解析の予備検討段階で用いるため、OPCモデル細胞株を用いてPRMT1欠損細胞の作製を試みたところ、2ラインの取得に成功した。 脱髄後のミエリン再生におけるPRMT1相互作用因子の探索のためのBioIDアッセイを行う予定であったが、上述のOPCでの解析に予想以上の時間を要したため、取り掛かることができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はミエリン形成を制御するPRMT1相互作用因子を同定するため、PRMT1-miniTurboノックイン(PRMT1-mT)マウスより単離・培養したOPCと、その後分化誘導で得られたオリゴデンドロサイト(OL)を用いて、ビオチン化誘導後SA-pulldownにてビオチン化タンパクを精製した。その後、LC-MS/MSによるショットガン解析により得られたタンパクを同定した。その結果、OPC/OL共にPRMT1との相互作用因子として既知のPRMT1基質を含む多数のタンパクが見つかった。 加えて、PRMT1の新規基質候補の機能解析に用いるため、OPCモデル細胞株を用いてPRMT1欠損細胞株の作製に取り組んだところ、2ライン樹立することに成功した。 以上のように、今後の脱髄モデルを用いたBioIDアッセイや、その機能解析に必要なほとんどのリソース及び技術が確立していることから、本研究は順調に進行していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、PRMT1の相互作用因子が同定できたため、これらがメチル化基質である可能性の検討やその機能解析をOPCモデル細胞や初代OPCを用いて検証する。 PRMT1のミエリンの形成だけでなく再生における役割も、その基質同定を介して明らかにするため、PRMT1-mTマウスにおいて脱髄モデルを誘導し、脳組織を用いたin vivo BioIDも進める予定である。 これらを通して、PRMT1によるアルギニンメチル化のミエリンの形成・再生における生理的意義の解明を目指す。
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