Project/Area Number |
23K14291
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 46010:Neuroscience-general-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤巻 基紀 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (10961708)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2027: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | フェロトーシス / βプロペラ蛋白関連神経変性症 / オートファジー / 脳に鉄沈着を伴う神経変性疾患 / 神経細胞死 / 脂質過酸化 |
Outline of Research at the Start |
脳に鉄沈着を伴う神経変性疾患は大脳基底核を中心とした中枢神経に鉄の沈着と神経細胞の脱落を認める、原因不明の疾患群であり未だ根本治療は存在しない。本研究では研究代表者がNBIAの一つであるβプロペラ蛋白関連神経変性症モデル神経系培養細胞で独自に特定した神経細胞死「フェロトーシス」の機序を解明し、中枢神経細胞内の鉄沈着の意義を明らかにする。さらにBPANヒトiPS細胞由来神経細胞モデルで同現象を証明することで、実際の患者の中枢神経で生じている病態を明らかにする。研究成果は鉄沈着を共通の病理学的特徴とするアルツハイマー病やパーキンソン病などの病態解明にも貢献しうる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究計画に基づき、主にSH-SY5Y神経芽細胞において実験系の整備を行った。具体的にはフェロトーシス実験に用いる試薬やプラスミドの準備、ノックダウン実験に用いるトランスフェクション試薬の準備と条件検討から開始した。さらに実際の細胞実験においてWIPI4ノックダウン時に生じるフェロトーシスが脂質過酸化の得意的プローブであるC11BODIPYのシグナルシフトを起こすことを観察することに成功した。計画書に示したこれまでの実験結果と合わせてβプロペラ蛋白関連神経変性症Beta-propeller protein-associated neurodegeneration(BPAN)モデル神経系培養細胞においてフェロトーシスが生じていることを証明した。さらにWIPI4ノックダウン時のフェロトーシスはATG2A/Bのノックアウトにより観察されなくなることからATG2A/Bに重要な働きがあると考えている。そこでATG2Aの局在を蛍光プローブであるEGFPをATG2Aの下流にコードしたプラスミドを作成しWDR45ノックダウンにおける局在変化の有無を確認したところWIPI4ノックダウン細胞においてやや局在変化があるように見えたが、それがどこなのかオートファゴソーム、脂肪滴、各細胞内小器官などとの共染色により確かめていく予定です。。またウエスタンブロットによる内在性ATG2Aのタンパク質量にも変化は生じなかった。 来年度はATG2のたんぱく輸送機能の関与を検証する実験を計画するとともにBPANモデルiPSc由来神経細胞の樹立を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究室の異動があった中、細胞実験系の樹立を行うことができ、がん細胞を用いたいくつかの仮説を検証することに成功した点において概ね当初の計画通りに研究を進めることができていると考えている。一方で現環境ではがん細胞以外の細胞種を扱うことは現時点で困難であり、iPSC由来神経細胞を含めてより実際の病態を反映しやすいモデルを用いた実験をどのように行っていくかが課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
主にSH-SY5Y細胞を用いたBPANモデルにおけるフェロトーシスのメカニズム解明を目的とした実験を進める。現在作成中の脂質輸送機能を喪失したATG2Aを有したプラスミドを完成させる。またその局在、発現量を確認しつつ野生型のATG2Aの過剰発現で生じたフェロトーシスが、脂質輸送能を持たないATG2Aでも生じるかどうかを検証する。またWIPI4ノックダウンでフェロトーシスが生じるが、細胞内のどこで主に生じているかを確認するための実験も並行する。主にATG2が局在しうるオートファゴソーム、脂肪滴、小胞体、ミトコンドリアなどが候補となるが、細胞内脂質過酸化可視化マーカーを用いてその局在を確認し、ATG2の局在変化(どこに局在変化を生じているかは検証中)との関連を明らかにする。 遅れている神経細胞での実験を進めるべくiPS細胞を扱うことのできる研究施設との連携を図る。具体的には異動前に所属していた順天堂大学神経内科教室で所有するiPS細胞実験に対する設備あるいはマテリアルを共同研究として使用できないか模索する。
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