Project/Area Number |
23K14304
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 46030:Function of nervous system-related
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
相馬 ミカ 日本医科大学, 大学院医学研究科, ポストドクター (90906653)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 男性ホルモン / 女性ホルモン / 海馬 / 樹状突起スパイン / 急性効果 / 男性・女性ホルモン / キナーゼ / 視床下部 |
Outline of Research at the Start |
脳の記憶中枢である海馬では、局所的に男性・女性ホルモンが合成されており、男性・女性ホルモンは認知機能と関連することが示されてきている。男性・女性ホルモンの作用には、核内受容体による遺伝子発現を介したものだけでなく急性的効果もあり、2時間以内という非常に短い時間で神経シナプスを増加させることが明らかになってきた。 本研究では、男性・女性ホルモンが急性的に海馬の神経シナプスを増加させるメカニズムを、シナプスに存在する男性・女性ホルモンの膜上受容体及びその下流の多種類キナーゼ群に着目して明らかにする。また、性ホルモン濃度の低下による認知機能の低下を他の物質により改善する方法を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
オスラットの海馬の急性スライスを用いて、男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)の樹状突起スパイン(後シナプス)への影響を調べた。その結果、DHTは海馬CA1領域の錐体細胞だけでなく、DG領域の顆粒細胞の樹状突起スパインも増加させることが分かった。この結果は、これまで免疫染色法で男性ホルモン受容体ARが検出されていないDG領域にもARが存在していることを示唆している。現在、PKAやPKC、MAPK、LIMK、PI3Kなどのキナーゼの阻害剤を用いて、DHTがDGの顆粒細胞の樹状突起スパインを増加させるメカニズムを調べており、CA1でのメカニズムとの共通点・相違点を明らかにする予定である。 また、メスラットの海馬急性スライスを用いて、女性ホルモンであるエストラジオール(E2)の効果を調べたところ、オスと同様、CA1領域の錐体細胞の樹状突起スパインの増加が見られた。今後、メスにおけるE2によるスパイン増加のメカニズムを調べ、オスとメスのメカニズムの違いを明らかにしていきたいと考えている。 脳における2種類の女性ホルモン受容体ERαとERβの局在を調べるために、ERαの発現量が多い卵巣と子宮の組織切片を用いて、免疫染色法に用いるERαの抗体とその染色条件の検討を行った。決定した染色条件に基づいて、マウス・ラットの海馬を含む全脳におけるERαとERβの局在分布を免疫染色法を用いて明らかにし、さらにERαとERβの作用の違いを明らかにしていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5年度より所属先が変わり、計画時に考えていたよりエフォートが低くなってしまった。 また、実験機器の不具合により、一時今までと同じデータが取れなくなったが、その原因の特定と復旧に時間がかかり、予定していた男性ホルモンのDG領域における効果について、解析まで終わらず、論文を投稿するまでに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的に研究計画通りに進めていく方針である。 今年度中に男性ホルモンの海馬DG領域における効果とオスとメスの性ホルモンの作用メカニズムの違いという、研究計画の性ホルモン関連の部分について論文の投稿を目指す。 投稿次第、予定していたビタミンDとその他の物質についての実験を進めていく予定である。
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