Project/Area Number |
23K14314
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 47010:Pharmaceutical chemistry and drug development sciences-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
梅原 厚志 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (40847018)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | イリジマシド / ポルチミン / ケトンカップリング / 全合成 / 海洋天然物 / ニッケル / ジルコノセン / カップリング / アミド |
Outline of Research at the Start |
イリジマシドAは、海洋シアノバクテリアから単離・構造決定された新規マクロリド配糖体であり、破骨細胞の分化を抑制する作用を有している。一方ポルチミンは、大環状構造を有する海洋アルカロイドで、強力なアポトーシス誘導作用を有する。これら海洋天然物は、骨粗鬆症の治療薬や抗がん剤の新規リード化合物としてそれぞれ期待されており、天然物および誘導体の効率的な合成法の開発が重要な研究課題である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、精密制御クロスカップリングを活用した海洋天然物の全合成法の確立を目指すものである。全合成の具体的なターゲットはイリジマシドとポルチミンである。イリジマシドは沖縄県沖で単離された海洋マクロリド配糖体であり、骨粗しょう症治療薬の有望なリード化合物群である。これまで化学合成の例は報告されていない。一方、ポルチミンは強力なアポトーシス誘導作用を有する海洋天然物であり、マクロ環を含む複雑な化学構造を有している。抗癌剤のリード化合物として期待されている。これら天然物の独創的な化学合成法の開発を目的として本研究を開始した。複雑な海洋天然物の全く新しい合成戦略を提案する挑戦的な研究課題である。 2023年度においては、ニッケル/ジルコノセンを用いたケトンの還元的カップリング反応を活用することで海洋マクロリドであるイリジマシドAの世界初の全合成を達成した。これについて、現在論文投稿を行っている。さらに現在は、イリジマシドDおよびイリジマシドEの世界初の収束的合成も行っている。 一方、ポルチミンの合成研究においては、銅触媒を用いたスタナンとチオエステルとのStille型クロスカップリングを用いることで収束的フラグメント連結に成功した。つづく、閉環メタセシスによって大環状構造を構築し、さらに渡環アセタール形成を行って、天然物が有する大環状アセタールの形成に成功した。全合成の達成に向けて、数工程の変換を残すところまで到達した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海洋マクロリドであるイリジマシドAの世界初の全合成を達成した。ニッケル/ジルコノセンを用いた還元的ケトンカップリングを駆使した独自性の高い合成戦略により達成されたものであり、新規性とインパクトともに高いものである。現在、論文投稿中である。 一方、ポルチミンの合成研究においては、銅触媒を用いたスタナンとチオエステルとのStille型クロスカップリングを用いることで収束的フラグメント連結、つづく、閉環メタセシスによって大環状構造を構築し、さらに渡環アセタール形成を行って、天然物が有する大環状アセタールの形成に成功した。全合成の達成に向けて、数工程の変換を残すところまで到達した。残す数工程の変換により、ポルチミンの全合成が達成される。
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Strategy for Future Research Activity |
イリジマシドの合成研究については、イリジマシドB, C, DおよびEの合成を進めていく。イリジマシドAの全合成で開発した合成戦略を用いることで網羅的な合成が可能であると期待できる。さらに、合成した天然物群と誘導体化合物を用いた生物活性評価も行い、構造活性相関研究にも展開していく予定である。 一方、ポルチミンの合成研究では、残りの数工程の変換を検討して全合成達成を目指す。具体的には、まず、スピロイミン構造を構築する。続いて、二重結合の酸化/官能基化の検討を行う。
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