Project/Area Number |
23K14332
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 47020:Pharmaceutical analytical chemistry and physicochemistry-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中島 孝平 北海道大学, 薬学研究院, 助教 (40907771)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 光免疫療法 / 光感受性化合物 / 光化学反応 / がん |
Outline of Research at the Start |
光免疫療法 (PIT) は、薬剤が集積した腫瘍に光照射することで行うがん治療法である。申請者はこれまでにPIT薬剤の作用機序の解明に取り組む中で、三重項クエンチャーとして知られる分子が、PITの細胞障害性を増強させることを発見した。そこで本研究では、抗体-IR700の細胞障害性を三重項クエンチャーが増強するメカニズムを明らかにするとともに、COTの作用を利用した新たなPIT薬剤の開発を目的とする。まず、IR700の光化学反応について検討することでPITの作用を増強させる分子メカニズムを明らかにしたのち、新規PIT薬剤を開発に取り組む。
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Outline of Annual Research Achievements |
光免疫療法 (PIT) は、薬剤が集積した腫瘍に光照射することで行うがん治療法である。申請者はこれまでにPIT薬剤の作用機序の解明に取り組む中で、三重項クエンチャーとして知られる分子(COT)が、PITの細胞障害性を増強させることを発見した。そこで本研究では、抗体-IR700の細胞障害性を三重項クエンチャーが増強するメカニズムを明らかにするとともに、COTの作用を利用した新たなPIT薬剤の開発を目的とする。 PITでは、IR700の水溶性軸配位子が光化学反応によって切断され、薬剤が水中で不溶性の凝集体を形成することが、細胞傷害の起点であると考えられている。本年度はまず、IR700の光化学反応について、光照射後のIR700の分解物をHPLCで解析することで検討した。その結果、COTを加えた場合では、COTを加えていない場合と比較して軸配位子の切断がより進みやすいことが明らかとなった。したがって、COTはIR700の軸配位子切断反応を促進する作用があると考えられる。一方、光免疫療法では、励起三重項状態のIR700が三重項酸素と反応することで生じる一重項酸素も細胞障害性を示す。そこで、COTが、IR700の一重項酸素産生量を増加させるかを、singlet oxygen sensor green(SOSG)を用いて検討した。その結果、COTの有無によって一重項酸素産生量は変化しないことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
三重項クエンチャーであるCOTが光免疫療法の細胞障害性を向上させた理由として、IR700軸配位子切断反応の効率を上昇されたことが一因である可能性を示した。当初の予定通りデータが得られており、(2)おおむね順調に進展している、と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
IR700の軸配位子切断反応には、項間交差量子収率やラジカルアニオン体の寿命などが関与する。今後は、IR700の軸配位子切断反応においてCOTがどの過程に寄与しているのかを検討する予定である。
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