Project/Area Number |
23K14352
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 47030:Pharmaceutical hygiene and biochemistry-related
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
多森 翔馬 東京理科大学, 薬学部生命創薬科学科, 助教 (90909483)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 癌幹細胞 / 非対称分裂 / 癌代謝不均一性 / 癌の不均一性 |
Outline of Research at the Start |
癌組織は癌幹細胞を始めとした多様な性質を有する癌細胞を内包する不均一な細胞集団である。このことから、個々の癌細胞に対する治療効果に差が生じ、治療抵抗性をもった癌細胞が生き残ることで再発・転移に繋がる。癌がこのような不均一性を持つことは適切な治療薬選択の妨げとなり、癌治療の大きな障壁となっている。この癌の不均一性を克服するためには癌の不均一性が生じる仕組みの理解が重要である。本研究では、癌幹細胞の非対称分裂とその後の各細胞の分裂により生じる不均一性を代謝能の観点から可視化・追跡することで癌幹細胞を発端として癌が代謝不均一性を獲程する過程を経時的かつ定量的に解析するモデルを確立する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、乳癌幹細胞の非対称分裂に着目し、それによって生じる代謝能の異なる2つの娘細胞とその後の娘細胞の分裂による癌代謝不均一性の獲得の繋がりを経時的に観察・定量するモデルを確立することを目指す。特に、研究代表者がこれまでに報告している「細胞極性因子PKCλによる非対称分裂制御」に注目し、その下流で癌の不均一性獲得過程の制御を可能とする標的分子を明確にすることで、有効な癌治療のための理論基盤を構築することを目的とする。 現在、当初の計画通り、乳癌幹細胞の非対称分裂と解糖系代謝不均一性獲得との関わりについての解析を進めている。特に、培養細胞株で得られた結果をもとに、乳癌幹細胞の非対称分裂と解糖系代謝能の不均一性獲得の因果関係について、数理モデルでのシミュレーションに取り組んだ。これにより、乳癌幹細胞の非対称分裂を発端とした解糖系代謝不均一性獲得の様相の一端が明らかとなり、非対称分裂を制御することによる不均一化獲得への影響を評価することが可能となりつつある。これによって例えば、細胞極性因子PKCλによる乳癌幹細胞の非対称分裂亢進は解糖系の代謝不均一化に促進的に寄与することが示唆された。 乳癌幹細胞を発端として癌が代謝不均一性を獲程する過程を経時的かつ定量的に解析するモデルを確立するうえで、細胞株で得られた知見をオルガノイドへ拡張することを検討しているが、今年度はオルガノイドの培養方法の確認と技術導入に取り組んだ。これにより、乳癌オルガノイドにおいての実験系を立ち上げる見通しが立ったことから、乳癌細胞株で得られた知見を乳癌オルガノイドへと発展させることにより、癌代謝不均一性獲得に対する癌幹細胞の非対称分裂の意義を明らかにしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は乳癌細胞株における癌幹細胞の非対称分裂と解糖系代謝の可視化手法から得られていた結果から、乳癌幹細胞の非対称分裂と解糖系代謝不均一化の関係について因果関係を示す方法についての検討を行った。我々が樹立した癌幹細胞マーカー遺伝子を可視化するレポーター細胞を経時的に観察する方法に加えて、実験結果をもとにしたシミュレーションモデルの作成に取り組むことにより、癌代謝不均一性獲得過程解析モデルを開発するという目的を達成するための見通しが立ってきた。つまり、1年目において本研究課題の根幹となる癌幹細胞の非対称分裂と癌代謝不均一性獲得過程を定量的に評価する実験系の確立はほぼ全て終了していると言える。一方で、本研究課題は乳癌細胞株で既に得られている知見をより一層生体に近い環境であるオルガノイドへと発展させることで、癌の不均一性獲得過程の制御を可能とする標的分子を明確にし、有効な癌治療のための理論基盤を構築することを目的としていることから、乳癌オルガノイドにおける実験系の確率が2年目の課題と考えている。使用する乳癌オルガノイドの導入については当初の計画よりも遅れているものの、培養法および実験系については目途がついており、培養細胞株の結果ではあるが、癌代謝不均一性獲得過程解析モデル開発に向けた知見を深めることができている。 以上のような状況を総合的に考え、本研究は「おおむね順調に進展している。」と考えている。当初の研究計画とも大きな変更がないため、予定通り2年目も研究を進めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究により、乳癌幹細胞の非対称分裂を発端として解糖系代謝不均一性が獲得されることを示唆する知見を得られたため、次年度では、乳癌オルガノイドの実験系によって様々な代謝系の中でも解糖系代謝に絞った解析を進める予定である。現在オルガノイド培養の基礎技術の修得と培養環境の整備を進めているところである。 乳癌細胞株の結果をもとに、定量的評価手法は確立できつつあることから、オルガノイドの実験系で得られた結果をもとにこの定量解析手法を活用することによって、解析モデルの確立を進める予定である。 これらの実験を進めるために、まずは乳癌オルガノイド内の乳癌幹細胞を濃縮し、乳癌幹細胞マーカー遺伝子を発現する細胞を蛍光タンパク質によって標識した細胞を樹立することが目標となる。乳癌細胞株においては目的の細胞を樹立ができていることから、同様の方法によって樹立を目指す。乳癌細胞株と乳癌オルガノイドで樹立したそれぞれの蛍光標識乳癌細胞の非対称分裂を比較した場合の挙動違い、生じる娘細胞の性質の違い、生じた娘細胞のその後の分裂の違いを検証することから進めていく予定である。これらの解析結果を相互にフィードバックさせることによって、乳癌細胞株で作成しているモデルを乳癌オルガノイドモデルに最適化していく。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)
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[Journal Article] High SLC20A1 Expression Indicates Poor Prognosis in Prostate Cancer2023
Author(s)
OKAMOTO TAIKI、ONAGA CHOTARO、MATSUOKA IZUMI、OZAKI AYAKA、MATSUDA CHIKA、KASAI TAKAHIRO、XIONG YUYUN、HARADA YOHSUKE、SATO TSUGUMICHI、NAKANO YOSHIO、MANO YASUNARI、MIYAZAKI SATORU、ISHIGURO HITOSHI、SATO KEIKO、TAMORI SHOMA、SASAKI KAZUNORI、OHNO SHIGEO、AKIMOTO KAZUNORI
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Journal Title
Cancer Diagnosis & Prognosis
Volume: 3
Issue: 4
Pages: 439-448
DOI
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Peer Reviewed / Open Access
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