Project/Area Number |
23K14359
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 47040:Pharmacology-related
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
樋口 裕城 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (20852982)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | セロトニン / 抗うつ薬 / 神経新生 / うつ |
Outline of Research at the Start |
うつ病はストレスを引き金として発症する精神疾患であり、主流な薬物治療薬である選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は効果が限定的である。本研究では、うつ病および抗うつ薬治療による神経回路の変化の分子メカニズムを解明することから、抗うつ薬の効果を含めた精神疾患の分子メカニズムの理解と治療方略のイノベーション的躍進を目指す。SSRI投与による神経新生の促進が神経回路遷移の基本メカニズムと仮定し、抗うつ薬による神経回路遷移の分子メカニズムを、RNA-seqによる遺伝子発現の神経回路レベルでの網羅的解析と、培養細胞技術を使った細胞間分子信号レベルの分析で明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究で取り上げる課題は、精神疾患であるうつ病の主流な治療薬が示す不安定な有効性であり、その原因として抗うつ薬の作用メカニズムの連鎖反応過程に存在する個人差をもたらす因子(分子メカニズム)を仮定している。したがって、本研究の目的は、抗うつ薬作用の分子神経回路を明らかにすること、これによって抗うつ薬の作用効率を上げ、個人の遺伝的・生理的状態に合わせたオーダーメイド医療の確立に寄与することである。
現在までに、本研究計画の1つ目の目標である神経新生関連因子の網羅的遺伝子発現パターン解析に取り組んだ。選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)によって引き起こされる神経新生の促進とその連鎖反応の分子メカニズムを明らかにするため、網羅的検討として、SSRIを投与された成体マウスの海馬における神経新生関連因子の連鎖反応の神経回路レベルの全体像を、遺伝子発現パターンとして把握しようと試みた。代表的なSSRIであるフルオキセチンをマウスに4週間慢性投与後、海馬と脳室下帯(神経新生の局在部位)および帯状回(5-HT投射の皮質対照群として)を取り出し、これらの組織から抽出したRNAを用いて次世代シーケンス解析を実施した。その結果、SSRIの効果を媒介する因子として、神経栄養因子・成長因子の関与が示唆された。今後、更に詳細に次世代シーケンス解析データの分析を進める。
また、本研究テーマに密接に関係する総説を執筆し、本年度中に国際誌(Current Research in Neurobiology)に受理され公開された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実施環境の変化および円高などの影響による研究用資材の価格高騰により、進捗が鈍化した。
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Strategy for Future Research Activity |
取得した次世代シーケンス解析のデータ分析を進め、論文としての公開に繋げる予定である。
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