Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
炎症反応機構の一つであるTLR4シグナルは自然免疫応答に重要な役割を果たす一方で、過度の活性化により致命的な臓器障害を引き起こす。特に、世界における死因の5分の1を占める敗血症もこのシグナルを介して多臓器不全を惹起することが知られているが、現時点ではTLR4シグナルを直接抑制する敗血症治療薬の開発には至っていない。申請者はこれまでに、糖化産物であるジヒドロピラジン(DHP)が、TLR4シグナルの活性化を抑制し、抗炎症効果を示すことを明らかにしている。本研究ではこの知見を発展させ、DHPがTLR4シグナルを抑制する分子機構を解明することで、その臨床への適用に必要な基盤を構築する。