Project/Area Number |
23K14429
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 48010:Anatomy-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉原 雅大 筑波大学, 医学医療系, 助教 (60963618)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2027: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | Notchシグナル伝達経路 / 心臓 / 遺伝子組換えマウス / Delta-Notchシグナル経路 / 発生生物学 |
Outline of Research at the Start |
Notch1遺伝子は、その異常が(とくに左心系の)心臓形態異常を引き起こすことから、心臓発生に重要と考えられている。しかし、Notch1遺伝子がいつ、どの細胞ではたらいているのか、そしてどのようなメカニズムが心臓発生を支えているのかについては不明な点が多い。そこで、本研究では、遺伝子組換えマウスを用いて、Notch1遺伝子がはたらいている細胞やその時期を同定することを目指す。さらに、Notch1を介した心臓発生のメカニズムに迫るため、Notch1関連遺伝子Dll4の発現量を遺伝子組換えマウスを用いて人為的に操作し、Notch1-Dll4シグナル系に特異的な変調が心臓発生に与える影響を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
Notch1受容体は左室流出路の形態異常に関わると報告されているが、Notch1シグナルがいつ、どこではたらいているのかは明らかでない。そこで、本研究では、発生期の心臓におけるNotch1シグナルの細胞レベルでの可視化を試みる。具体的には、スイス連邦工科大学ローザンヌ校Freddy Radtke教授から遺伝子組換えマウス(Notch1-Gal4VP16マウス)の供与をすでに受けており、これに、すでに筑波大学で樹立したレポーターマウス(UAS-Cre-T2A-miRFP670マウスおよびR26GRRマウス)をかけあわせる。これにより、内因性リガンドと結合した人工Notch1-Gal4VP16受容体から人工転写因子Gal4-VP16が切り出され、遺伝子組換え酵素Creおよび近赤外光蛍光タンパクmiRFP670が発現する。Creのはたらきにより、R26GRRエレメントから蛍光蛋白tDsRedが恒常的に発現する。すなわち、Notch1シグナルの履歴がtDsRedで標識される。 また、Notchシグナル経路の変調(側方抑制阻害)による心発生を影響を検証するため、Cre存在下でNotch受容体リガンド(Dll4)を過剰発現する遺伝子組換えマウス(CAG-cat-Dll4)を上記マウス系にかけあわせて表現系解析する予定である。 2023年度にNotch1-Gal4VP16; UAS-Cre-T2A-miRFP670; R26GRR成獣マウスの心臓で断面標本を作製したところ、その断面ではtDsRedの発現は認められなかった。他方で、発生期心臓(静脈洞)から遊走してくるとされる肝内類洞内皮細胞はtDsRed陽性であった(未発表データ)。そのため、心臓全体での網羅的な解析が今後必要と考えられる。なお、2023年度には、査読付き国際英文科学雑誌に原著論文1編と総説1編を出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度にNotch1-Gal4VP16; UAS-Cre-T2A-miRFP670; R26GRR成獣マウスの心臓で断面標本を作製したところ、その断面ではtDsRedの発現は認められなかったため、心臓全体での網羅的な解析が今後必要と考えられる。他方、Notchシグナル伝達経路の変調を目的としたDll4過剰発現では、心臓をはじめとする他系統(神経系、腎泌尿器系、消化器系)にNotch1シグナルが関与していることから、胎性致死を予測していた。しかし、実際には、Notch1-Gal4VP16; UAS-Cre-T2A-miRFP670; CAG-cat-Dll4マウスは出生し、成獣期においていまだに表現型が明らかでない。そのため、区分を「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
まずはNotch1シグナルがはたらいている細胞を同定するために、Notch1-Gal4VP16; UAS-Cre-T2A-miRFP670; R26GRR成獣マウスの心臓について網羅的にtDsRed発現細胞を検索する。tDsRed陽性細胞が存在した場合、胎仔期のNotch1-Gal4VP16; UAS-Cre-T2A-miRFP670マウスを掲示的に追跡し、Cre陽性細胞(Notch1シグナルを解析時点で受けている細胞)の同定を試みる。その後、Notch1シグナルの関与が示唆される部位を中心に、Notch1-Gal4VP16; UAS-Cre-T2A-miRFP670; CAG-cat-Dll4マウスの詳細な表現型解析を行う。
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