Project/Area Number |
23K14485
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 49020:Human pathology-related
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
栃本 昌孝 北里大学, 医学部, 助教 (70973577)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | NUCB2 / EMT / 子宮がん肉腫 / 上皮間葉転換 |
Outline of Research at the Start |
申請者は先行実験で、Nucleobindin2 (NUCB2)が、がん-肉腫移行部(EMT部)に高発現することを見出した。この先行実験結果から「NUCB2は、子宮がん肉腫のS100A4/NMIIA依存性EMT/がん幹細胞化制御機構に密接に携わる分子で、その機能解析は子宮がん肉腫の発生・進展の新規分子機構の解明に繋がる」という作業仮説を立案した。本研究はこの仮説を立証し、この分子基盤を応用した子宮がん肉腫に対する有益な予後予測システムや新規治療法開発の基盤を構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
EMTを誘導したHec6で高発現するタンパク質の網羅的解析:子宮内膜癌細胞においてEMTに関与する分子を探索するため、子宮内膜癌細胞Hec6にATPase活性阻害剤であるBlebbistatin 10μMを与えて培養すると、線維芽細胞様な形態に変化した。0, 24, 48, 72時間後に回収し、shotgun proteomicsを行ったところ、1616のプロテオフォームを発見した。階層的クラスター解析から、初期(24時間後)と後期(48時間~72時間後)でペプチドスペクトルの一致が高い7, 3, 6種類のプロテオフォームを含むグループⅠ, Ⅱ, Ⅲが同定された。その中で、Blebbistatin処理から24時間後に発現が3.51倍、48, 72時間後に2.22倍上昇したNUCB-2遺伝子に着目した。また、Blebbistatin処理によるNMⅡ阻害により、Hec6におけるNUCB-2タンパク質およびmRNA発現を上昇した。以上のことから、子宮内膜癌細胞におけるNMⅡ阻害によりNUCB-2はEMTの過程を介して過剰発現することが示唆された。 NUCB-2発現制御細胞における増殖能および移動能の解析:子宮内膜癌細胞におけるNUCB-2の機能を明らかにするために、まず、NUCB-2発現が抑制されたHec6細胞株(H6-NUCB-KO#1, #11)と、NUCB-2を過剰発現するHec251細胞株(H251-NUCB#17, #27, #37)を樹立した。H6-NUCB-KO細胞とH251-NUCB細胞は、それぞれMockと比較して細胞形態に変化は見られなかった。EMT関連分子について、H6-NUCB-KO細胞では、N-cadherin, Slug, Snail, ZEB1の発現が低下し、H251-NUCB細胞では、ZEB1, Twist1, Vimentinの発現が上昇していた。以上のことから、NUCB-2発現が、ZEB1の発現に影響を与えることが考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予想通りの結果が得られたため、順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
NUCB2発現が細胞動態に及ぼす影響:①細胞周期に伴うNUCB2発現変化をmRNA・タンパク質レベルで検索する。②子宮内膜がん細胞のNUCB2過剰発現系とそのノックダウン系を用いて、NUCB2発現変化に伴うi)細胞増殖能の変化、ii)移動能の変化、iii)形態変化を位相差顕微鏡観察で検索する。 NUCB2によるがん幹細胞化誘導の分子機構の解明とその可視化:1)NUCB2とEMT/がん幹細胞化誘導機構の解析。NUCB2によるEMT/がん幹細胞化への影響を、子宮内膜がん細胞のNUCB2過剰発現系・ノックダウン系細胞株で、① 細胞形態の経時的変化、② EMT関連分子マーカーおよびがん幹関連マーカーの発現変化、③がん幹細胞検出アッセイ系によるがん幹細胞分画・検出、④Spheroid形成能、⑤各種がん幹細胞関連マーカー発現を検証する。以上の方法で確認できたがん幹細胞をフローサイトメトリーで分画し細胞株を樹立する。 2)がん幹細胞から肉腫成分派生機構の解明:上記の方法で得られたがん幹細胞を様々な分化誘導因子で刺激して肉腫成分へ分化誘導する。この過程を、がん幹細胞マーカーや上皮・間葉系マーカーの発現変化、及び形態変化の観点から検証する。
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