Project/Area Number |
23K14497
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 49020:Human pathology-related
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Research Institution | Yamanashi Prefectural Hospital Organization |
Principal Investigator |
雨宮 健司 地方独立行政法人山梨県立病院機構山梨県立中央病院(がんセンター局ゲノム解析センター), ゲノム解析センター, 研究員 (50897527)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
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Keywords | WTA / 細胞診 / 全トランスクリプトーム増幅 / NGS / 細胞診検体 |
Outline of Research at the Start |
がん遺伝子パネル検査にはホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織が必須であるが、検査に足る組織量を確保できない場合があり、治療選択機会を逸してしまう事が問題である。FFPEより核酸の質が良い細胞診検体に着目して全トランスクリプトーム増幅法 (whole-transcriptome amplification:WTA) への応用を行う。検査のための基礎的検討を行い、その有用性、妥当性を検証しながら、超微量細胞からの融合遺伝子探索や全トランスクリプトーム解析を可能とする新たながん遺伝子パネル検査法の構築を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は購入予定していたWTA増幅キット(キアゲン社)を用いて、まず、cDNA合成時のプライマーの検証(OligoDT,ランダムプライマー)を行った。ランダムプライマーを用いた場合に融合遺伝子が検出できることを確認した。また、付属キットの細胞融解試薬でWTAする方法では細胞が溶解されなかったが、別方法として、WTA前にRNAを抽出、精製した核酸でWTAを行う系を確立し、実験系がワークすることを確認した。また、細胞診検体のRNAの質の検証を行い、作製後すぐから3か月間室温放置した標本(Pap.染色、ギムザ染色)からRNAを抽出して質の評価を行い、Pap.染色はギムザ染色よりもRNAの質が良いことを確認した。また標本作製後時間が経過するにつれてRNAの質が低下することが判明し、WTAには長い核酸断片が必要なことから、できるだけ保存期間が短い検体を使用してWTAを行うことがよいと確認した。 細胞数の検討では、RNAの希釈系列だけでなく実際の細胞からは最低、30細胞以上から融合遺伝子が検出できることを確認した。今年度の予定として概ねの予備検証は終え今後のステップに進むための良好な実験結果を得ることができた。現在、融合遺伝子陽性の細胞診検体を準備済みである。本年度からのデータよりそのうちのPap.染色標本を用いて今後の検証を続けていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在研究計画の5つの項目うち、項目1-3について大部分の検証を行い、概ね良好な結果を得ている。WTA法を行う際のcDNA合成プライマーについて検証を行い、ランダムプライマーにてWTA法を用いた細胞診検体で融合遺伝子が実際に検出可能であることを確認したため、他社の増幅キットでの検証は行わず、当初予定していた増幅キットのまま検証を続けていく予定である。細胞診検体については融合遺伝子陽性の核酸を希釈系列を作製しそれぞれWTA後、融合遺伝子検出、実際の標本からスタートサンプル数を変えて直接ダイセクションしWTA後融合遺伝子検出、の共に検証を行ったが直接標本からでは30個細胞程度から融合遺伝子が検出できることを確認した。 項目1のcDNA転換効率については、ハウスキーピング遺伝子を用いたリアルタイムPCR法でのCt値の算出だけでなくトランスクリプトームでの発言量の確認も追加で検討を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はまず再現性の検証をして同様の結果を得られるかどうか確認を行っていく。 また、次年度は融合遺伝子陽性のFFPE、細胞診ペアサンプルを用いて検証を行っていく。 今年度標本の保存期間が長くなるにつれて核酸の質が悪くなるという結果を得たことから、 融合遺伝子陽性のサンプルについても様々な保存期間のため、どの程度昔のサンプルまで検出可能かを検討を行っていく予定である。 また項目1のcDNA転換効率については、ハウスキーピング遺伝子を用いたリアルタイムPCR法でのCt値の算出だけでなくBulkで抽出した検体とWTA後のサンプルとでトランスクリプトームでの発現量を確認する追加検討を行っていく予定である。 また同時に、同意取得された患者検体について前向きに検体収集を行い、FFPE検体、WTA細胞診検体ペアで30サンプルを予定として検体収集を行い、手術材料の場合はex-vivo穿刺細胞診、生検の場合は捺印にて細胞診検体を作製してWTA検体のQCデータの評価や検出感度特異度の検証を行っていく予定である。
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