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生理活性脂質12-HHTによる細胞膜修復機構の解明

Research Project

Project/Area Number 23K14505
Research Category

Grant-in-Aid for Early-Career Scientists

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section Basic Section 49030:Experimental pathology-related
Research InstitutionJuntendo University

Principal Investigator

遅 源  順天堂大学, 大学院医学研究科, 博士研究員 (30802871)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Keywords膜孔形成毒素 / 生理活性脂質 / 細胞膜修復 / ロイコトリエンB4第二受容体 / 上皮細胞膜の修復 / 細胞障害
Outline of Research at the Start

本研究は、PFTsによる細胞膜障害モデルを用いてBLT2の発現が上皮細胞膜の修復を促進することを見いだした。PFTsによって形成された細胞膜孔を介してCa2+が流入することが引き金となって起きるエンドサイトーシスや細胞外小胞(EVs)の放出によって細胞膜孔部位を除去することをBLT2が促進している。また、Ca2+流入は12-HHTの産生亢進を引き起こし、自己の産生する12-HHTがBLT2に作用して細胞膜の自己修復を促進しているという仮説を立てた。12-HHTが上皮細胞膜を修復する分子メカニズムの解明を目指す。

Outline of Annual Research Achievements

多くの病原性細菌は膜孔形成毒素(pore-forming toxins: PFTs)を分泌して宿主へ侵入する。宿主の上皮細胞がバリアとなって生体内部環境の恒常性を守るためには、外界からの侵襲により生じた障害を速やかに自己修復する機構が必要である。12-ヒドロキシヘプタデカトリエン酸(12-HHT)は膜リン脂質より遊離したアラキドン酸からシクロオキシゲナーゼ(COX)が依存的に産生される酸化不飽和脂肪酸であり、上皮細胞に高発現するGタンパク質共役型受容体(GPCR)-BLT2を介して生理活性を発揮する。これまでに、12-HHT/BLT2は皮膚表皮・角膜上皮・腸管上皮のバリア機能や創傷治癒の促進に寄与することが明らかとなっている。しかしながら、12-HHT/BLT2が上皮創傷治癒を促進する分子メカニズムは不明である。申請者は、BLT2を過剰発現させた肺胞上皮細胞株やBLT2欠損角化細胞を用いて、BLT2がPFTs依存性の上皮細胞膜障害による細胞死を抑制することを見いだした。本研究では、BLT2のリガンドである生理活性脂質12-HHTが上皮細胞膜修復を促進する分子メカニズムを明らかにする。BLT2の発現による細胞膜障害への抵抗性は、PFTsの細胞表面への結合低下によるものではなく、毒素が形成した孔を介したCa2+の流入を引き金とする細胞膜の修復亢進に依存していた。細胞表面や細胞外小胞上で、カルシウムセンサーであるAnnexins(ANXAs)とPFTsの共局在が亢進していた。本研究では、生理活性脂質12-HHTとその受容体BLT2がPFTs依存的な細胞膜障害を抑制するという新しい可能性を示している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

概ね順調に進展している。
本研究では、BLT2を過剰発現するヒト肺胞上皮細胞とBLT2欠損マウスから単離培養した角化細胞を用いて、12-HHT/BLT2が上皮細胞膜修復を促進する分子メカニズムを明らかにすることを目的とした。これまでに、12-HHT/BLT2がPLY依存的な細胞障害を抑制すること、この抑制には細胞膜孔を介して細胞外からCa2+の流入が必要であることを明らかにしている。PFTsによって形成された細胞膜孔を介してCa2+が流入すると、細胞内局所のCa2+濃度が上昇し、ANXA1は細胞内に流入したCa2+に応答して活性化し、障害部位の膜リン脂質と結合することで孔を一時的に塞ぐことが知られている。本年度行った研究で、BLT2の発現がANXA1の発現量や細胞のリン脂質の量に影響しないことが明らかとなった。一方、BLT2発現細胞では、細胞表面や細胞外小胞におけるANXA1とPFTsの共局在が増加することが明らかとなった。このことから、PFTsの形成する孔から流入したCa2+によってANXAsが活性化して障害された部位の膜脂質と結合して孔を塞ぎ、障害された細胞膜と共に細胞外小胞として放出されるという一連の細胞膜修復機構を、BLT2が促進していると考えられた。生理活性脂質受容体がこのような細胞膜の修復促進に寄与している報告はこれまでに存在せず、現在詳細な分子メカニズムを解析している。本研究は計画通りおおむね順調に進展していると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

今後、12-HHT/BLT2の細胞膜修復のメカニズムを深く解明するため、(1)BLT2が、障害された細胞膜を積極的に切り取り、EVsとして放出している可能性を考え、細胞外微粒子計を用いてEVsのサイズや濃度の定量を行う。また、質量分析計を用いてEVsの脂質組成の比較を行うとともに、EVsにPLYとBLT2が共局在しないか検証する。また、EVsの放出阻害がBLT2の保護的役割に与える影響を検証する。 (2)細胞内小胞により細胞膜を簡易的に修復した後、細胞骨格分子が再編成されることでEVsの放出が生じ、完全な細胞膜へ修復される可能性を考えている。そこでBLT2が、PFTs添加後のF-actin形成やmyosin IIの局在に与える影響を蛍光顕微鏡を用いて観察する。また、F-actinやmyosin II重合の阻害剤がBLT2の保護的役割に与える影響についても検証する。 (3)PFTs添加により上皮細胞自身が12-HHTを産生するかを検証するとともに、BLT2作動薬の前処理による細胞膜障害抑制効果、NSAIDs添加による12-HHTの産生阻害が、細胞膜障害の増悪を引き起こす可能性について検証する。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report
  • Research Products

    (2 results)

All 2023

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 上皮細胞膜障害に対する生理活性脂質の保護的役割.2023

    • Author(s)
      遅源, 佐伯和子, 横溝岳彦.
    • Organizer
      第96回日本生化学会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] The protective role of 12-HHT/BLT2 axis on the plasma membrane disruption-induced cell damage.2023

    • Author(s)
      遅源, 佐伯和子, 横溝岳彦.
    • Organizer
      第46回日本分子生物学会年会
    • Related Report
      2023 Research-status Report

URL: 

Published: 2023-04-13   Modified: 2024-12-25  

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