Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
麻疹ウイルス(MeV)はヒトの中枢神経系に感染し、致死的な亜急性硬化性全脳炎や麻疹封入体脳炎を発症させうるが、そのメカニズムは未解明な点が多く、特異的治療薬もない。本研究はMeVが最初に神経細胞へ侵入する際に利用する未知の受容体の同定を目的とする。タンパク質マイクロアレイや近位依存性標識酵素により選出した候補遺伝子の発現量を培養細胞や脳オルガノイドで変化させ、受容体を同定する。同定した受容体のノックアウトマウスを作製し、MeVの脳内感染への影響を解析する。これらの新たな受容体探索手法を用いた本研究により、MeVの神経病原性メカニズムの解明や、中枢神経感染症に対する医薬品開発に貢献する。