Project/Area Number |
23K14533
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 49060:Virology-related
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
若田 愛加 国立感染症研究所, ウイルス第三部, 主任研究官 (00823048)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | パラミクソウイルス / ムンプスウイルス / Mタンパク質 / 核小体 / 双節型核局在化シグナル / 定量プロテオーム解析 |
Outline of Research at the Start |
ウイルス成分と核小体の相互作用は様々なウイルスで見られる現象であることから、ウイルス学的にも非常に重要な意義があると考えられるが、その詳細はわかっていない。一方で、核小体には細胞のストレスセンサーとしての機能が備わっており、ストレスを検知した核小体は形態的変化や核小体タンパク質の発現に変化が生じることが知られている。そこで本研究課題では、iTRAQ法による定量プロテオーム解析により、パラミクソウイルス感染に伴う核小体成分のバリエーションの変化を調べることで、ウイルスによる核小体制御と核小体による抗ウイルス応答メカニズムの全容を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
核小体は豊富なRNAとタンパク質からなる膜のない大きな液滴であり、リボソームを生合成する場として知られている。近年では、ウイルス感染においても核小体は重要な構造体であることが示唆されている。パラミクソウイルスの生活環において、Matrix(M)タンパク質の一部が核小体に局在化することが知られている。 そこで本研究では、パラミクソウイルス感染におけるMタンパク質の核小体局在化の意義を明らかにすることにした。まずは、核小体に局在化しないMタンパク質を有する組換えムンプスウイルス(rMuV)を作製した。MuVのMタンパク質には、双節型(bipartite)の核局在化シグナル(NLS)が存在するため、KGRNK(bp1)あるいはKCRK(bp2)のどちらか一方をAGANAあるいはACAAに変異させたMbp1mutおよびrMuV-Mbp2mutを作製した。変異Mタンパク質の局在解析のため、免疫染色を行い共焦点顕微鏡による観察を行なったところ、片方の変異だけではMの核小体局在化能の欠損は不十分であることがわかった。そこで、両方のシグナルに変異を導入したrMuV-Mbp1/2mutを作製し、同様の方法で観察を行なったところ、rMbp1/2mutのMタンパク質は核小体や核には存在せず、細胞質にのみ局在した。さらに、rMuV-Mbp1/2mutの増殖性を評価したところ、野生型のrMuVと比較して顕著に感染力価が低下した。 これらの結果から、MuVのMタンパク質がもつ双節型の核局在化シグナルは核小体局在化に必須であり、またMタンパク質が核小体に輸送され局在することは、MuVの生活環において重要なイベントであることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、ムンプスウイルスのMタンパク質が核小体に与える影響を調べることを目的としていたため、Mタンパク質の核小体局在化能を欠損させた変異体ウイルスを作製し、これを用いて定量プロテオーム解析を行う予定であった。しかし、変異体ウイルスの増殖は非常に悪く、ポリエチレングリコールを用いた濃縮法を検討したが十分な力価を得られなかった。そこで、実験の見直しを行い、ウイルスの感染細胞ではなく、Mタンパク質の発現細胞用いた解析に変更することにした。以上のことから、実験の進捗がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
Tet-ON発現誘導システムを利用してMタンパク質(野生型あるいは変異体)の安定発現細胞を作製し、それらの細胞を用いてプロテオーム解析を実施する予定である。
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