Project/Area Number |
23K14564
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
児玉 泰一 滋賀医科大学, 医学部, 客員助教 (20581929)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 腹膜転移 / CD44 / ヒアルロン酸 / 腹腔内癌細胞 / 胃がん手術 / TGF-β / がん手術 |
Outline of Research at the Start |
進行胃癌術後腹膜再発は極めて予後不良で、その発症機序解明と予防法開発は重要課題である。術後腹膜再発の原因として手術中の腹腔内散布がん細胞が注目されている。 本研究では、CD44陽性のがん幹細胞様細胞に着目し、手術で誘発される腹腔内炎症下で、腹腔内散布がん細胞表面のCD44がそのリガンドのヒアルロン酸(HA)との相互作用により腹膜転移形成するメカニズムの一端を解明するとともに、HA-CD44 signaling pathway阻害によるがん幹細胞様細胞の腹膜転移形成予防効果を明らかにする。 本研究成果により術中散布した胃癌細胞の腹膜転移形成を防ぐ周術期治療法の開発へと展開していく事が期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
進行胃癌術後腹膜再発は極めて予後不良で、その発症機序解明と予防法開発は重要課題である。術後腹膜再発の原因として手術中の腹腔内散布がん細胞が注目されている。CD44陽性のがん幹細胞様細胞に着目し、手術で誘発される腹腔内炎症下で、腹腔内散布がん細胞表面のCD44がそのリガンドのヒアルロン酸(HA)との相互作用により腹膜転移形成するメカニズムの一端を解明するとともに、HA-CD44 signaling pathway阻害によるがん幹細胞様細胞の腹膜転移形成予防効果を明らかにするために、本研究を開始した。 まずは、<腹膜転移マウスモデルにおけるin vivoでのHA-CD44 axis遮断>の実験を行った。 免疫不全Nudeマウス(自然免疫細胞あり炎症惹起可能)を用い、側腹部を切開し腹膜を露出させ、マウスの壁側腹膜を綿棒で擦過し、手術操作関連炎症を起こした。次に、手術炎症下腹膜転移のモデル実験として、(1)胃がん細胞株(MKN45)を腹腔内に注入した。HA合成阻害薬:4MU (0.1-0.5 mg/body) 及び 抗CD44抗体: IM7 (40-200 μg/body) の腹腔内投与が腹膜転移形成に及ぼす影響を調べた(28日後の腹膜転移率や転移腫瘍量を測定した)。転移形成した腹膜腫瘍のCD44発現やHA発現も免疫組織染色にて調べるためサンプリングを行った。 HA阻害薬や抗CD44抗体薬の転移抑制作用や、両薬剤の併用療法の効果などは、実験を繰り返して検討を続けているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
In vitroにおけるTGF-β、HA-CD44 axis、及び胃がん細胞のEMTの関係の検討や、In vitroにおけるHA-CD44 axisの阻害などを施行する前に、腹膜転移マウスモデルにおけるin vivoでのHA-CD44 axis遮断を先行して行った。
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Strategy for Future Research Activity |
<腹膜転移マウスモデルにおけるin vivoでのHA-CD44 axis遮断>として、免疫不全Nudeマウス(自然免疫細胞あり炎症惹起可能)を用い、側腹部を切開し腹膜を露出させ、マウスの壁側腹膜を綿棒で擦過し、手術操作関連炎症を起こす。次に、手術炎症下腹膜転移のモデル実験として胃がん細胞を腹腔内に注入する。(1)胃がん細胞株の実験を複数回施行して解析した後、 (2) 胃がん患者由来腹腔内散布がん細胞: PPGC 細胞を用いて、4MU (0.1–0.5 mg/body) 及び IM7 (40–200 µg/body) の腹腔内投与が腹膜転移形成に及ぼす影響を調べる(28日後の腹膜転移率、転移腫瘍量)。転移形成腹膜腫瘍のCD44発現やHA発現も免疫組織染色にて調べる。 次に、<In vitroにおけるTGF-β、HA-CD44 axis、及び胃がん細胞のEMTの関係の検討>として、マウス腹膜中皮細胞に対して、TGF-βによるHA発現増強作用を調べ、さらに、胃がん細胞株であるMKN-45 (CD44 high)、 MKN-74(CD44 low)、 MKN-7 (CD44 low)、または、術中に腹腔洗浄液から採取した患者由来胃がん細胞 (PPGC) を用いて、TGF-βによるがん細胞のCD44、HA分子発現、がん細胞機能及び幹細胞関連分子発現への影響を調べる。 また、<In vitroにおけるHA-CD44 axisの阻害>を行い、TGF-β存在下に、HA発現腹膜中皮細胞と胃がん細胞(胃がん細胞株、または、PPGC)、あるいは、胃がん細胞のみを用いて、抗CD44モノクローナル抗体(IM7)及びHA合成阻害薬(4-MU)によるHA-CD44 axisの遮断による胃がん細胞への影響を調べる。
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