Project/Area Number |
23K14573
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
武井 淳 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (40770607)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 膠芽腫 / 腫瘍幹細胞 / 耐性機構 / 血管内皮 |
Outline of Research at the Start |
本研究は膠芽腫(GBM)再発巣の特性、治療耐性や臨床的意義を明らかにするために、申請者が発見したGBM再発巣に特異的に見られる「偽乳頭状構造」に着目した。「偽乳頭状構造」は2層の腫瘍細胞から成り、内層には多くの腫瘍幹細胞(CSC)が集まっている。本研究では再発巣の病理標本から「偽乳頭状構造」を構成する腫瘍細胞を取り出して遺伝子プロファイリングを行い、CSCの分子生物学的特徴を解明する。GBM標本におけるCSCは存在比率が少ないため集団として扱うことが困難であったが、「偽乳頭状構造」を対象とすることでこれらの問題点を克服し、GBMに対する新たな治療法の開発への道が開かれると期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では再発性膠芽腫の病理所見で認められる特徴的な2層構造である「偽乳頭状構造」に着目し、腫瘍幹細胞の性質を解析することを目標とした。「偽乳頭状構造」は血管周囲に腫瘍細胞が二層になって集簇し、乳頭構造に類似した形態学的特徴を示すものである。その内層は主に類円形細胞で構成され、外層は紡錘形細胞で構成されている。以後二層性偽乳頭状構造 bi-layered pseudopapillary structures (BPSs)と呼称した。 初年度である本年は初発時および再発性膠芽腫のペア標本を詳細に比較し、BPSsの存在比率を調査した。その結果8/28例 (28.6%)にBPSsが確認された。また12/28例 (42.9%)には単層性のBPSsに類似した構造物が観察された。これらの知見からBPSsが再発の過程で経時的に変化している可能性が示唆された。続いて免疫組織学的に腫瘍幹細胞マーカーであるNestin, CD44を評価した。Nestin陽性腫瘍細胞はBPSsの内層に存在しているのに比較して、CD44陽性腫瘍細胞は2層ともに広く分布していることが示唆された。これらのことから異なる性質を持つ腫瘍幹細胞が再発に寄与している可能性がある。さらに血管内皮の表面マーカーのCD34, ERGの発現レベルを評価した。非BPSs群と比較してBPSs群ではCD34陽性の微小血管数は変化せず、血管壁におけるERG発現が低下している傾向が見られた。ERGは血管構造の安定化に関与しているとされ、BPSs群ではより未成熟な腫瘍血管を有している可能性が示唆された。 詳細な幹細胞マーカーの解析に加え低酸素のマーカーや細胞代謝に関する検討を行う予定であり、網羅的な解析により抗VEGF抗体治療介入前後における腫瘍微小環環境の変化の理解が深まると期待される。
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