Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
がんの転移は、がん関連死の大部分を占めると考えられている。転移に関与しうる現象として研究されてきた上皮間葉転換(EMT)を担う因子には、正常組織における機能と重複するものが含まれるために、それらを直接の治療標的とすることには困難が伴う。アポトーシスに代表される細胞死の一つであるferroptosis(フェロトーシス)は、アミノ酸や鉄、脂質など様々な栄養素の代謝経路により制御される。がん細胞は増殖能や各種療法への耐性維持のため、正常細胞とは異なる代謝様式を示すことが知られている。本研究ではこれらに着目し、がん細胞のEMTに伴う代謝変化への介入により、フェロトーシスへの脆弱性が高まるかを検証する。