Project/Area Number |
23K14601
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
今井 基貴 北里大学, 医療衛生学部, 助教 (50908457)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 肺がん / 化学療法抵抗性 / LRRK2 |
Outline of Research at the Start |
がんの化学療法抵抗性の獲得は患者予後を著しく悪化させるため、新たな治療法や治療標的の開発が求められている。LRRK2はパーキンソン病の原因分子であるが従前の検討において、がん細胞の化学療法抵抗性に関与している可能性が示唆された。そこで、本研究では肺がん組織やシスプラチン耐性肺腺がん由来細胞を用いてLRRK2による化学療法抵抗性獲得の分子メカニズムを明らかにする。LRRK2を標的とした治療法が開発されれば、化学療法抵抗性に苦しむがん患者に対する治療効果改善の新たな突破口となることが期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
化学療法はがん治療において最も一般的で有望な治療法であるが、がん細胞における化学療法抵抗性獲得の問題があり、治療効果の低下や患者の生存率を悪化させる重大な要因である。そこで、がん細胞における化学療法抵抗性を打開する新たな治療戦略の提唱を目指し、本研究ではがん細胞の化学療法抵抗性という複雑な現象をLRRK2に着目した新たな視点から紐解くことで、そのメカニズムを明らかにすることを目的として、以下の検討を行った。まず、LRRK2の発現量およびキナーゼ活性がシスプラチン感受性に関与しているかどうか肺腺がん細胞を抗がん剤耐性にさせたシスプラチン抵抗性肺腺がん由来培養細胞(A549-cis)を用いて解析した。siRNAによりLRRK2をノックダウンしたA549-cis (LRRK2-KD)では、Negative Controlに比して、シスプラチン感受性の改善が認められた。さらに、A549-cisを特異的LRRK2キナーゼ阻害剤であるMLi-2を用いて処置したMLi-2処置群においても、処置していない群に比してシスプラチン感受性が改善することが明らかとなった。次に、LRRK2発現の抑制がどのような機序でシスプラチン感受性の改善に関与しているかを明らかにすることを目的に以下の検討を行った。近年の報告では、細胞老化がシスプラチン抵抗性の獲得に関与しているとの報告があることから、A549-cis細胞におけるLRRK2発現が細胞老化に与える影響をSA-β-Galやp21発現を指標に解析した。その結果、LRRK2-KDではSA-β-Gal発現の低下と、p21発現の低下することが明らかとなった。以上の結果から、LRRK2発現はA549-cisにおける細胞老化を調節することで、シスプラチン感受性に影響を与えていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
siRNAを用いたLRRK2ノックダウンとLRRK2特異的キナーゼ阻害剤を用いた解析により、LRRK2発現の抑制とキナーゼ阻害がA549-cisのシスプラチン感受を改善することを示せた。また、その機序として細胞老化が関与していることを明らかにした。しかし、LRRK2過剰発現A549-cisを用いたシスプラチン感受試験が難航している。また、臨床検体を用いた解析が完了していないため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床検体を用いた免疫染色を実施し、術後補助化学療法による無再発期間とLRRK2発現との関連性を統計学的に解析する。また、カプラン・マイヤー曲線を用いた患者の予後解析、並びに多変量解析を試みることで、術後化学補助化学療法における治療効果予測マーカーとしての評価を行う。さらに、老化細胞マーカーであるp53やRbの発現とLRRK2発現との関係性を検討し、LRRK2が細胞老化に関与していることを明確にする。
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