Project/Area Number |
23K14629
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 50020:Tumor diagnostics and therapeutics-related
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
宮竹 佑治 東海大学, 医学部, 特任助教 (30868881)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | ANKL / 線維芽細胞 / 液性因子 / アグレッシブNK細胞白血病 / 腫瘍微小環境 |
Outline of Research at the Start |
アグレッシブNK細胞白血病(ANKL)は非常に予後不良な希少疾患であり、その増殖や進展は腫瘍周辺の微小環境に依存している。これまでの研究から抗トランスフェリン受容体抗体は肝臓で増殖中のANKL細胞を効率的に排除できるが、脾臓ではその限りではないことを明らかにしている。本研究では、脾臓のANKL細胞の生存を支持する細胞を同定する。そして接触刺激分子や液性因子の解析を通じて、臓器内でANKL細胞を支持する因子および作用機序を明らかにする。さらに、その生存維持機構の阻害剤を用いた脾臓からのANKL細胞の排除を試みる。本研究の成就は世界初のANKLに対する特異的治療法の開発につながるものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究はANKLにおいて腫瘍微小環境中の因子から腫瘍細胞の維持増殖を担う分子とその機序を明らかにしようとするものである。これまでの研究および予備データから線維芽細胞株NIH3T3との共培養によりin vitroでのANKL細胞の生存率が著しく上昇することを見出していた。 本研究ではまず様々な細胞とANKL細胞を共培養したところ、新たに血管内皮細胞との共培養でもANKL細胞の生存率が上昇する結果が得られたものの、最も顕著な効果を示したのは線維芽細胞との共培養であった。 次に、ANKL細胞の生存を支えている主な線維芽細胞株由来因子の同定に取り掛かった。まず計画書の通り、その因子が液性因子なのか細胞表面分子なのかを解明するため、線維芽細胞の培養上清の添加によるANKL細胞の生存率の変化を調べたところ、共培養と同程度の生存維持効果があることが判明した。この結果から、線維芽細胞によるANKL細胞の生存維持作用の大部分は液性因子が担っていることが示唆された。 さらに、それらの液性因子の大まかな性質を調べるため、線維芽細胞の培養上清を限外ろ過濃縮により分子量で分画したサンプルを添加した際のANKL細胞の生存率変化を測定した。その結果、ほとんどタンパク質が含まれていない分子量3k以下の分画でもANKL細胞生存維持作用の大部分を有していることが明らかとなった。これにより、線維芽細胞から放出された何らかの小分子化合物がANKL細胞の生存を維持していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、生存を維持する細胞種の同定や、液性因子が主に生存維持作用を担うことを明らかにしたため、順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予想に反して、生存維持効果を有する候補因子がタンパク質ではなかったため、当初の予定にある分画などによる絞り込み後の通常の質量分析では対象の同定が困難である。そのため、小分子化合物を対象としたストラテジーを考えて進行する必要がある。 具体的な今後の方針としては、細胞由来の小分子化合物としては、ペプチドおよびアミノ酸、糖類、脂質、ミネラルや核酸などが挙げられるため、それらの因子を添加した培地、あるいは線維芽細胞培養上清からそれらの因子を除去したサンプルがANKL細胞の生存を支持するかを解析することで候補因子を絞り込むことを考えている。
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