Project/Area Number |
23K14639
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 50020:Tumor diagnostics and therapeutics-related
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
足立 雄太 愛知県がんセンター(研究所), がん標的治療TR分野, 研修生 (30833842)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | KRAS / KRASG12C阻害薬 |
Outline of Research at the Start |
KRASG12C変異蛋白質特異的な阻害薬の開発に成功したことを契機に、近年に至るまで創薬困難と考えられてきたKRAS阻害薬の開発が急速に進んでいる。KRASG12C阻害薬の耐性機序の報告は獲得耐性の解析が中心であり、阻害薬曝露後早期に腫瘍細胞におけるシグナル伝達経路が適応的に変化することで耐性を誘導する非遺伝子的耐性機序の主要なメカニズムは未だ明らかとなっていない。本研究ではKRASG12C阻害薬曝露後早期に誘導される上皮間葉転換及びYAP活性化のメカニズムを明らかにすることでKRASG12C阻害薬のadaptive resistanceを標的とした新規治療法の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
Hippo経路はMST、LATSの2つのキナーゼが転写共役因子であるYAPもしくはそのパラログであるTAZを負に制御するシグナル伝達経路である。すなわちKRASG12C阻害薬曝露後のYAP活性化の誘導メカニズムとしてHippo経路の活性化低下の挙動が重要な因子であり、YAPに加えてLATS及びMST のリン酸化の挙動をWestern blotを用いて解析した。その結果、LATS,MSTともにKRAS阻害薬投与後にリン酸化が低下していた。さらに上流制御因子の解析を進めた結果、膜タンパクであるScribbleがHippo-YAPシグナル伝達経路に関与していることを同定した。ScribbleはYAPを細胞質に保持し、KRAS阻害薬投与により、Scribbleが膜から離れると、YAPもフリーの状態となり、核移行することを、免疫染色およびウエスタンブロッティング法により明らかにした。さらに、YAPの下流分子として、RASスーパーファミリーのひとつであるMRASを同定した。MRASはTEAD/YAPによって直接制御されており、MRASの発現誘導により、MAPKが再活性化することが明らかとなった。MRASのノックアウトはKRAS阻害薬の効果を増強することをin vitro, in vivoで示すことができた。さらに、YAPの下流シグナルの分子として複数の標的を同定しており、今後順次評価を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
YAPの制御について膜タンパクであるScribbleが関与することを示すことができた。下流についても候補分子を同定している。
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Strategy for Future Research Activity |
YAPの下流の標的分子について、Chip assayを行い、YAPによる制御を確認する。また同定した分子の表現型を明らかにするために、CRISPR-Cas9によるノックアウトを行い、in vitroにおける細胞増殖アッセイやin vivo マウス皮下腫瘍モデルを用いてKRASG12C阻害薬のadaptive resistanceを克服できるかどうかを検討する。現在のところ解析はKRASG12C変異肺癌細胞株を用いて行うが、より生体に近い系での評価を可能とするために患者由来KRASG1 2C変異肺癌オルガノイドについても作成を試み、同表現型が得られるかどうかを解析する。
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