Project/Area Number |
23K14698
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 51030:Pathophysiologic neuroscience-related
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
佐藤 豊大 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (30814032)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | アルツハイマー病 / コリン作動性神経 / HCNP / 認知予備能 |
Outline of Research at the Start |
アルツハイマー病(AD)病理下でも認知機能が維持される認知予備能(CR)が着目されている。コリン作動性神経が海馬神経活動を賦活することがCRの一因ではないかと考えた。 我々は中隔核のアセチルコリン産生を促進する海馬由来コリン作動性神経刺激ペプチド(HCNP)を発見し、その過剰発現はアミロイドオリゴマーによる海馬神経機能の抑制を阻止する可能性を報告した。本研究で①AD病理下でHCNPを介したコリン作動性神経賦活による海馬神経機能維持の機序の評価と②HCNPの作用の多角的評価によりCRの分子機序を解明する。これはADに対する新しいコリン作動性刺激補充療法を提案し、新たな創薬基盤になる可能性がある。
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Outline of Annual Research Achievements |
我々はアルツハイマー病(AD)病理の存在下でも認知機能が維持される認知予備能(CR)が着目される中、コリン作動性神経が海馬神経活動を賦活することがCRの一因ではないかという仮説を立てた。 我々は中隔核のアセチルコリン産生を促進する海馬由来コリン作動性神経刺激ペプチド(HCNP)を発見し、その過剰発現はアミロイドオリゴマーによる海馬LTP(Long Term Potentiation)の低下を阻止する可能性を報告した。 本研究では①AD病理存在下におけるHCNPを介したコリン作動性神経賦活による海馬神経機能維持の機序の評価と②HCNPの作用の多角的評価によりCRの分子機序を解明し、AD地用の創薬ターゲットを創出することを目的とした。 2023年度は今まで実施してきたfield法を用いた海馬LTP誘導実験により得られた、HCNP-KOマウスでは加齢とともに内因性のコリン作動性刺激によるLTP誘導効率が低下するという事実をもとに、APP-KIマウスとHCNP-KOマウスの交配による「新規ADモデルマウス」における海馬LTP誘導効率の評価を実施しした。その結果、内因性のコリン作動性刺激の低下によるLTP増強効果の低下が認められた。それらのメカニズムの解析のため生化学的手法(ウェスタンブロッティング)によりシナプス関連タンパクの変化を評価し、神経伝達に関与する一部タンパクの減少が認められた。行動学評価においては以前からの継続により新奇物体探索試験において新規ADモデルマウスにおける記憶障害出現までの期間が短縮されることを発見した。 2024年度に向けては、新規ADモデルマウスの海馬におけるシナプス伝達効率の変化の原因について、さらなる生化学的・薬理学的な解析に加えて、組織学的評価を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
APP-KIマウスとHCNP-KOマウスの交配による「新規ADモデルマウス」におけるLTP誘導効率の変化については今までの研究で行ってきたField法による評価を継続し、アセチルコリンを介したLTP誘導効率の低下を認めることができた。これらの変化の要因となるシナプス関連タンパクの量についての生化学的評価(ウェスタンブロッティング)を行い、アセチルコリン作動性神経、グルタミン酸作動性神経それぞれのシナプス伝達に関連するタンパク量の減少が「新規ADモデルマウス」において認められた。行動学的解析では「新規ADモデルマウス」において記憶障害の促進を認めた。 今後は組織学的な解析を加えることで、上記の現象とAD病理との関連を評価する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
新規ADモデルマウスの海馬におけるシナプス伝達効率の変化の原因について、生化学的・薬理学的な解析を継続する。また、AD病理の存在がアセチルコリン作動性神経およびグルタミン酸作動性神経に与える影響とHCNPの関連について評価するため生化学的な評価に加えて組織学的な評価も実施していく予定である。
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