Project/Area Number |
23K14704
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52010:General internal medicine-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
馬詰 武 北海道大学, 大学病院, 准教授 (00807935)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | cell free DNA / 代替医療 / 網羅的解析 / 鍼灸 / セルフリーDNA |
Outline of Research at the Start |
cell free DNA(cfDNA)を指標とした網羅的解析で、種々の治療法の作用機序を解明できる検査法をつくり、代替医療といわれる鍼灸治療などの効果発現機序を解明していく。cfDNAは細胞から分泌されるDNAの一種であり、血液中のcfDNAを解析することでどの臓器から分泌されたかが把握でき、メチル化の変化をみることで促進・抑制された機能も認識できる。人体はネットワークで成り立っていることは自明であり、これからの研究では単一のカスケードを評価していたのでは、その真の本質はわからない。本研究で網羅的解析手法をつくり、これまでその効用が軽視されてきた健康法に科学的裏付けをする研究を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
西洋医学とは一線を画した、健康に良いとされる治療法は多くある。鍼灸、音楽を聴くこと、入浴など、各々が思い思いに自分によいと思う方法で健康を維持している。高齢化社会の到来を迎え、病気を予防し、健康な状態を保ちながら人生を最後まで楽しむことへの社会的欲求は強くなってきている。しかし、われわれ西洋医学に従事する者は、どうしても西洋医学以外の健康へのアプローチ法に否定的になってしまう。多く聞かれる言葉が「科学的な裏付けがない」というものだ。本研究では、cell free DNA(cfDNA)を指標とした網羅的解析で、種々の治療法の作用機序を解明できる検査法をつくり、代替医療といわれる鍼灸治療、温熱療法、音楽療法の効果発現機序を解明していく。cfDNAは細胞から分泌されるDNAの一種であり、血液中のcfDNAを解析することでどの臓器から分泌されたかが把握でき、メチル化の変化をみることで促進・抑制された機能も認識することができる。人体はネットワークで成り立っていることは自明であり、これからの研究では単一のカスケードを評価していたのでは、その真の本質はわからない。本研究で網羅的解析手法をつくり、これまでその効用が軽視されてきた健康法に科学的裏付けをすることで、高齢化社会を迎えた日本の医療の在り方に一石を投じる研究を行う。 本研究では、2段階にわけて研究を進める。様々な治療法の作用機序を網羅的に解析する手法の開発を第一段階とし、次に代替医療ともいわれる、鍼灸治療等で人体にどのような反応が生じ、治療効果を呈するのかをcfDNAの変化を解析することを明らかにしていくことを第二段階とする。令和5年度は第一段階のcfDNAの動態解明を進め、cfDNAが体内から除去される速度を測定し、明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
セルフリーDNA(cfDNA)が生体の状態を反映しているのならば、cfDNAの排出が速いほど、そのメチル化変化が生体の状態をリアルタイムに表す指標として意義をもつと考え、cfDNAのクリアランス時間に着目した。健常男性に対する運動負荷後に血液検査を行い、cfDNAのクリアランス速度を明らかにすることとした。運動負荷の1週間前に採血を行い肝腎機能に異常がないことを確認した男性被験者5名を対象とした。運動負荷直前に採血を行い、トレッドミルによる30分間の軽度の運動負荷を行った後に、運動終了直後とその10、20、30、60分後に採血を行い、cfDNA濃度をTapeStation (Agilent) を用いて測定した。その結果、健常男性の運動負荷後のcfDNAの濃度は運動負荷終了後10分ほどで最高値に達した。その後徐々に減少し、cfDNAの半減期は約30分であり、約1時間後に運動前の濃度に戻ることが示された。血中のcfDNAの入れ替わりは速やかであることからリアルタイムに生体の状態を表す指標として用いることができると考えられた。その役割について令和6年度に検討していく。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、セルフリーDNA(cfDNA)の体内からの除去速度の関する論文作成を行う。cfDNAの体内からの除去速度が短時間であるという事実を根拠として、本研究の予備的検討で行った鍼治療前後のcfDNAの解析結果でメチル化部位が変化したという事実の解明を進めていく。短時間に、cfDNAが除去されるのであれば、鍼治療といった短時間(おおむね1時間以内を想定)に行われる治療や、運動、レクリエーションといったものの前後でcfDNAのメチル化の状況を確認することで、それらの活動が身体に及ぼした作用について網羅的に解析できる、令和6年度は鍼治療前後の変化に主眼をおいて解析していく。
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