SNPを標的とした早期インスリン抵抗性・動脈硬化症の個別化先制医療の確立
Project/Area Number |
23K14714
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52010:General internal medicine-related
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
高門 美沙季 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (30838032)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | インスリン抵抗性関連遺伝子 / インスリン分泌関連遺伝子 / 動脈硬化 / 心血管疾患 / レジスチン / インスリン抵抗性 |
Outline of Research at the Start |
インスリン抵抗性は2型糖尿病の発症に先行する。加えてインスリン分泌が低下し代償がきかなくなると、血糖値が上昇する。動脈硬化性疾患は、インスリン抵抗性が主体の時期から増加する。 本研究では、一般住民2400名を対象とする。インスリン抵抗性遺伝子レジスチンSNPと、インスリン分泌関連SNPの両面から遺伝因子を定量化する。75g経口ブドウ糖負荷試験によりインスリン抵抗性と分泌を、頸動脈エコーで動脈硬化を評価し、新たな糖代謝異常分類を確立する。前向き研究において、糖尿病発症や心血管疾患発症と関連するサブタイプを明らかにし、基礎的検討により、動脈硬化進展のメカニズムを解明し、早期個別化予防へ応用する。
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Outline of Annual Research Achievements |
インスリン抵抗性は2型糖尿病の発症に先行する。加えてインスリン分泌が低下し代償がきかなくなると、血糖値が上昇する。また、動脈硬化性疾患は、インスリン抵抗性が主体の時期から増加する。すなわち、糖尿病と動脈硬化の早期予防には、血糖ではなくインスリンを標的とする必要がある。本研究では、一般住民2400名を対象とした。数少ないインスリン抵抗性遺伝子レジスチンSNPと、分泌関連SNPの両面から遺伝因子を定量化した。75g経口ブドウ糖負荷試験によりインスリン抵抗性と分泌を、頸動脈エコーで動脈硬化を評価し、表現型を細分類した。5~15年後の前向き研究において、糖尿病発症や心血管疾患発症と関連するサブタイプを明らかにした。インスリン抵抗性・分泌低下の遺伝因子と表現型、動脈硬化を統合した新たな糖代謝異常分類を確立し、糖尿病・動脈硬化性疾患を早期に予知することを目的とし、以下を検討した。 1.一般住民において、インスリン抵抗性関連SNPと、インスリン分泌関連SNPの両面から遺伝素因を定量化した。インスリン抵抗性・分泌低下の表現型と頸動脈エコーで評価した動脈硬化の細分類を作成し、遺伝因子との関連を同定した。 2. 同定した各サブタイプによる、5年後、10年後、15年後の糖尿病発症の違い、頸動脈エコーで計測した動脈硬化進展、脳梗塞や虚血性心疾患などの心血管疾患発症との関連を明らかにした。 3.遺伝因子・表現型を統合し、基礎的検討により、動脈硬化進展のメカニズムを解明した。 一般住民のDNAおよび血清サンプルと臨床データは既に収集し、レジスチンSNPタイピングおよび血中濃度の測定は概ね終了した。本集団は、2021年度から75gブドウ糖負荷試験を含む15年後の前向き調査を開始しており、疾患発症との因果関係が証明可能である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一般住民において、インスリン抵抗性関連SNPと、インスリン分泌関連SNPの両面から遺伝素因を定量化した。インスリン抵抗性・分泌低下の表現型と頸動脈エコーで評価した動脈硬化の細分類を作成し、遺伝因子との関連を同定した。また、環境因子との相互作用を合わせて検討した。また、同定した各サブタイプによる、5年後、10年後、15年後の糖尿病発症の違い、頸動脈エコーで計測した動脈硬化進展、脳梗塞や虚血性心疾患などの心血管疾患発症との関連を明らかにした。 上記の集団を対象とし、5~10年後の前向き研究を行った。しかし、10年間では、糖尿病や心血管疾患の発症が少なく、統計学的にパワーが足りない可能性があり、15年後のデータを用いて解析を進めている。 本集団は、2021年度から75gブドウ糖負荷試験を含む15年後の前向き調査を行っているが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、一般住民の大規模な健診が困難な時期があり、一時的に新たなデータの収集が困難であった。また、申請者が2024年2月に出産したため、産前産後休暇および育児休業に伴い、一時的に積極的な研究活動ができなかった。 一般住民のDNAおよび血清サンプルと臨床データは既に収集し、レジスチンSNPタイピングおよび血中濃度の測定は概ね終了した。今後は、環境因子との相互作用を解析し、基礎的検討により、動脈硬化進展のメカニズムを解明する。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に則って研究を推進し、2023年度までの研究内容をさらに深めていく。 新しく得られたサンプルについては、レジスチンSNPタイピングおよび血中濃度の測定、その他インスリン感受性遺伝子のSNPタイピングを行う。 遺伝因子・表現型のサブタイプ毎に、5年後、10年後、15年後の糖尿病発症の違い、頸動脈エコーで計測した動脈硬化進展、脳梗塞や虚血性心疾患などの心血管疾患発症との関連を明らかにする。 さらに、新たな糖代謝異常分類のサブタイプと、動脈硬化のメカニズムを解析するために、頸動脈プラークに関連するTNF-α、IL-6、oxLDL、ICAM、MCP-1などのサイトカインや代謝産物の血中濃度を測定する。各サブタイプにおいて、メタボローム解析を行い、糖、脂質、アミノ酸等の代謝産物・代謝経路の違いを解明する。さらに、RNA-seqにより、炎症性サイトカインをはじめとした標的遺伝子の発現量を網羅的に解析し、各サブタイプの特徴を解明する。 また、本集団では、認知機能検査やサルコペニアの評価も行っており、あわせて解析可能である。将来の糖尿病発症、動脈硬化性疾患との関連の強いサブタイプを明らかにし、SNPをマーカーとした疾患早期予防、高精度医療を確立する。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)