Project/Area Number |
23K14724
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52010:General internal medicine-related
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
澁谷 修一 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 老化ストレス応答研究プロジェクトチーム, 研究員 (70866342)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 早老症 / ヘリカーゼ / 細胞老化 / 骨格筋 |
Outline of Research at the Start |
ウェルナー症候群(WS)はWRN遺伝子変異を原因とする日本で報告例の多い成人性早老症である。しかし既存のWrn欠損マウスはWS特徴的な老化症状を示さず、発症メカニズムや治療法開発研究の妨げとなっている。WRNとの機能重複が予想されるファミリー分子RECQL5に着目し作出したWrn/Recql5 2重欠損マウスは老化細胞蓄積に起因するWS様の脂質代謝異常を呈した。WSは内臓脂肪蓄積と顕著な四肢萎縮を併発するサルコペニア肥満を発症する。本研究では、2重欠損マウスの骨格筋病態解析によりWSにおける骨格筋老化機構を明らかにし、老化機序の基礎メカニズムを考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ウェルナー症候群(WS)はWRN遺伝子変異を原因とする日本で報告例の多い成人性早老症である。しかし既存のWrn欠損マウスはWS特徴的な老化症状を示さず、発症メカニズムや治療法開発研究の妨げとなっている。WRNとの機能重複が予想されるファミリー分子RECQL5に着目し作出したWrn/Recql5 2重欠損マウスは老化細胞蓄積に起因するWS様の脂質代謝異常を呈することを明らかにし、新規WSモデルとして確立しつつある。WSは内臓脂肪蓄積と顕著な四肢萎縮を併発するサルコペニア肥満を発症することも特徴とする。本研究は、2重欠損マウスの骨格筋病態解析によりWSにおける骨格筋老化機構を明らかにすることを目的として行っている。2重欠損マウスの骨格筋量や筋繊維は正常マウスと比較して差は認められなかったが、LPS投与による炎症ストレス負荷により筋内脂肪蓄積および筋繊維径萎縮化が見られた。これらの結果から2重欠損マウスは種々のストレス応答性が増加し、筋質が低下することが示唆された。2重欠損マウスでは老化ストレス応答性が増加することを予想し、老齢時に骨格筋をサンプリングし、骨格筋病態の解析を行っている。今後は骨格筋関連因子や脂質代謝関連因子の発現を調べる予定である。さらに、筋内脂肪蓄積のメカニズムを明らかにするためにRNA-seq法により脂肪組織の遺伝子発現を網羅的に解析し、異常経路の特定を現在進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでの2重欠損マウスの解析により、LPSを用いた薬剤性筋萎縮を誘導した場合に筋繊維内の顕著な脂肪滴蓄積と筋繊維径の萎縮化を捉えつつある。さらに筋機能、筋繊維形成・分解関連分子発現、脂質代謝関連分子発現への影響を調べる予定だったが、繁殖により得られた2重欠損マウスが見込みよりも少なく、実験に必要な数を確保できなかった。そのため、既にサンプリングしていた脂肪組織でRNA-seq解析を行い、筋内脂肪蓄積の原因となる異常経路の特定を進めている。また、様々なストレス応答による骨格筋病態への影響を評価するため、老齢時の骨格筋をサンプリングし解析を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
2重欠損マウスの内臓脂肪でRNA-seq解析を行い網羅的遺伝子発現データが得られた。現在詳細なデータ解析を行っており、脂質代謝異常の原因が推測される遺伝子や経路を特定し、サルコペニア肥満との関連を調べる予定である。老齢2重欠損マウス骨格筋の解析では、筋繊維の再生/分化マーカーなどの骨格筋関連因子の発現から筋繊維の同化/異化バランスを調べる。さらに脂質分解/合成/分化の各遺伝子発現を調べ、加齢ストレス負荷による2重欠損マウスの筋内脂肪蓄積の亢進作用を調べる。今後はLPSによる炎症ストレスや尾懸垂による廃用負荷の骨格筋病態への影響の解析を進めていく予定である。
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