Project/Area Number |
23K14731
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52010:General internal medicine-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉田 紫乃 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (80962612)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 老化 / 糖尿病 / SNAREタンパク質 / 高齢者糖尿病 / 細胞老化随伴分泌現象 |
Outline of Research at the Start |
高齢化に伴い、糖尿病などの生活習慣病の罹患率が上昇し、ADLの低下や健康寿命の短縮がおこる。生活習慣病と加齢の関連性について様々な機序が検討されているが、未だその全容は明らかではない。最近、細胞老化随伴分泌現象が起こることが判明し、老化が全身へ伝播することが明らかになった。申請者は膵β細胞の老化が膵β細胞自身のインスリン分泌の低下をきたすと同時に、エクソソームによる老化随伴分泌現象を介して全身臓器の老化促進を誘導し、肝臓や脂肪組織、骨格筋でのインスリン抵抗性をもたらして、糖尿病が発症するという仮説を立てた。本仮説を基に老化による膵β細胞とSNAREタンパク質の変化を評価する本研究を計画した。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては以下の2つの目標を立て進めている。 目的①膵β細胞は加齢とともに老化し、分泌機構を調整するSNAREタンパク質の組成や性質に変化が起こるという仮説を証明する。 目的②SNAREタンパク質の変化に伴い老化膵β細胞においてインスリン分泌、エクソソーム分泌が変化し、全身臓器の加齢性変化の誘導と糖尿病の発症を相乗的に引き起こしているという仮説を証明する。 本研究では加齢によるSNAREタンパク質に注目している。SNAREタンパク質はインスリン分泌とエクソソーム分泌を共通して制御するタンパク質である。マウス実験の条件検定の目的を含めて、マウス膵β細胞株であるMIN6細胞を使用して老化誘導を行い、SNAREタンパク質の変化を検定した。 現在までの進捗状況として、MIN6細胞に対してドキシサイクリン刺激とP16、P21、P53 の過剰発現を行い、老化誘導の効果を評価した。目的①に対して、ドキシルビシンによって老化誘導した膵β細胞において、インスリン分泌の制御する中心的なSNAREタンパク質であるVAMP2、VAMP8、STX2, SNAP25は老化誘導細胞でmRNAレベルでは有意に上昇していることが認められた。一方で、インスリン分泌を抑制させる機能が知られているSNAP23は変化を認められなかった。さらにドキシルビシンによって老化誘導した細胞では低グルコース、高グルコース応答性いずれにおいてもインスリン分泌の上昇を認めた。一方で、SNAP25の動態をリアルタイムで検出するFRETセンサーSCORE(Science. 2004)においては明らかな変化を認めることができなかった。この原因に関しては実験条件を検討している最中である。目的②に関してはドキシルビシンによって老化誘導した膵β細胞において、エクソソーム顆粒は全体的に均一に小さい顆粒の割合が多いことが認められた。サイズの異なるエクソソーム顆粒とその内服されているmiRNA組成は今後検討予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年では当初予定していた、マウスを使用したス実験を始める前に、生体動態を観察するためのバイオセンサーを作成し、そのマウス膵β細胞株であるMIN6細胞を使用した。作成の過程で、バイオセンサーのデザインを繰り返し行い、その有用性を確認することに時間を要したため、当初の計画よりも時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
各目標に沿って以下の如く研究を進める予定である。 目的①においては、ドキシルビシンにて老化誘導した膵β細胞の培養液からエクソソームを超遠心法で抽出し、miRNASeqとプレテオソーム解析を行うことでその内容物の組成を検討する。 目的②においてはMIN6細胞を用いた老化誘導による変化評価した後に、マウスの膵臓スライスを用いたEx Vivo実験に移行予定である。 スライスカルチャーにおいて、膵臓、肝臓、骨格筋、脂肪細胞でのスライス培養の条件も検討する予定である。老化マウスの膵臓スライスを培養した培養液を、若年マウスの肝臓、骨格筋、脂肪細胞のスライスに投与し、老化誘導が起きるかを評価する。
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