Mechanism of lipolysis by cancer cachexia
Project/Area Number |
23K14747
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52010:General internal medicine-related
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
笠井 智香 東京理科大学, 薬学部薬学科, 助教 (90806697)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
|
Keywords | がん悪液質 / 熱産生遺伝子 / 脂肪分解 / 悪液質モデル / 探索薬理 / 創薬 |
Outline of Research at the Start |
がんが進行した患者では、がん悪液質と呼ばれる痩せた状態になる。がん悪液質では、がんから放出される有害物質によって、代謝異常が生じ、筋肉や脂肪の減少が起きる。がん悪液質はがん患者のQOLを著しく低下させる他、抗がん剤の効果を減弱することも報告されているが、その病態メカニズムには不明な点が多く、がん悪液質の治療・予防法は確立していないのが現状である。 本研究では、がん悪液質の初期から発生し、がん悪液質における諸症状とも関連性の深い脂肪分解の発症メカニズムを探索し、創薬ターゲットとなりうる因子の発見を目的とする。最終的には特定した創薬標的を基盤とし、がん悪液質の新規予防法および治療法の発見を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、非悪液質担がんマウスおよび悪液質担がんマウスの腫瘍遺伝子発現および血漿組成を比較して、がん悪液質における脂肪分解の発症メカニズムを探索し、創薬ターゲットとなりうる因子の発見を目的としている。 計画当初、非悪液質担がんマウスと悪液質担がんマウスとを比較する予定であった。しかし研究を進めるうちに、非悪液質担がんマウスの悪液質が軽度である原因が当初の想定と異なり、分譲機関が持つがん細胞の性質に依存している可能性があること、また、対照となる悪液質担がんマウスを得るためのがん細胞の分譲が不可能であることが明らかとなり、非悪液質担がんマウスおよび悪液質担がんマウスの比較を予定通りに実施することはできなかった。そこで本年度は、がん悪液質モデルマウスの脂肪分解発症メカニズムを検討するために、担がんマウス(がん投与群)と対照群(PBS投与群)の脂肪における熱産生遺伝子発現の比較を行った。その結果、がん悪液質モデルマウスの萎縮した脂肪組織(鼠蹊部皮下白色脂肪組織および精巣上体白色脂肪組織)において、熱産生遺伝子としても働く筋小胞体/小胞体カルシウムATPaseであるSerca2bの遺伝子発現が増加しており、Serca2bのがん悪液質の関与の可能性が明らかとなった。がん悪液質では、高カルシウム血症を発症することが報告されており、本モデルマウスにおいても有意に高い血漿カルシウムレベルを確認した。Serca2b遺伝子発現の上昇は、がん悪液質におけるカルシウム恒常性の破綻と脂肪萎縮との関連性を検討する上で重要な知見となると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画当初は非悪液質担がんマウスと悪液質担がんマウスとを作製し、比較する予定であったが、非悪液質担がんマウスの悪液質が軽度である原因が当初の想定と異なることが明らかとなった。そこで、計画を修正し、担がんマウス(がん投与群)と対照群(PBS投与群)とを比較してがん悪液質の脂肪分解メカニズムの探索を行っている。進捗としてはやや遅れているが、研究期間内に十分な成果を出せると見込んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度の結果を踏まえ、担がんマウスを用いて、癌悪液質が軽度の状態(前悪液質期)と重度の状態(不応性悪液質期)の脂肪における熱産生遺伝子の発現を検討し、その発現の原因について探究することで、がん悪液質の新規予防法および治療法の発見を目指す予定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)