Elucidation of the Pathogenic Mechanisms of HTRA1-Related Cerebral Small Vessel Disease via Digenic Inheritance
Project/Area Number |
23K14749
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52020:Neurology-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
上村 昌寛 新潟大学, 脳研究所, 非常勤講師 (00836710)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | HTRA1 / 脳小血管病 / digenic-inheritance / small vessel disease |
Outline of Research at the Start |
HTRA1変異のヘテロ接合者や新たな症例において、他の遺伝子変異が発症を促進するか検討する。他の遺伝子の候補としては、①既知の脳小血管病原因遺伝子、②孤発性脳小血管病のリスク遺伝子座に存在する遺伝子群、③細胞外マト リックス関連蛋白である。 本研究を通じて、脳小血管病の発症に関する機序を二遺伝子遺伝の観点から解明し、新たな治療標的を探る。
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Outline of Annual Research Achievements |
HTRA1関連脳小血管病は、プロテアーゼであるHTRA1遺伝子の機能喪失変異により発症するが、臨床表現系に多様性が認められ、同一変異や同一家系内であっても発症年齢や臨床的重症度が患者ごとに異なる。近年の研究では、脳小血管病発症にはHTRA1以外の複数の遺伝子が関わり、HTRA1の基質となる蛋白の遺伝子変異により脳小血管病を発症すること等が明らかとなってきた。また我々の研究室の成果から、HTRA1ノックアウトマウスにおいて脳小血管の細胞外マトリックスにフィブロネクチンをはじめとする複数の蛋白質が異常蓄積することを見出した。本研究ではHTRA1関連脳小血管病の臨床表現系の違いに上述した遺伝子変異が関与してないか調査することを目的としている。具体的には、新潟大学脳神経内科に保管しているHTRA1関連脳小血管病の遺伝子検体に対して次世代シーケンサーにより遺伝子解析を行い、HTRA1以外の遺伝子変異について調べる。2023年度の前半は、すでに全エクソン解析が実施されていたHTRA1関連脳小血管病6検体について、上述した脳小血管病関連遺伝子やHTRA1ノックアウトマウスで異常蓄積を認めた蛋白質の遺伝子変異の有無について検討を行った。結果、これらの検体には既存の脳小血管病の原因遺伝子は認められなかった。加えて、HTRA1ノックアウトマウスで異常蓄積が認められた蛋白のうち蓄積量の多かった遺伝子について検討したものの、明らかな病的変異は認められなかった。2023年度後半は全ゲノムシーケンスによる解析を4検体に実施した。これまでのところ、これら4検体についても明らかな病的変異は認められていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では当科に保管しているHTRA1関連脳小血管病症例のDNA検体に対して次世代シーケンサーによる解析を実施し、脳小血管病関連遺伝子や細胞外マトリックス蛋白の遺伝子変異について検索することを初期の目的とした。当初は保管しているすべての検体に対して全エクソン解析を実施する予定であったが、初めに検討を行った6検体で明らかな病原性変異を捉えることができなかった。そのため、より幅広い変異を捉えるために、4検体に対して全ゲノム解析を実施した。全エクソン解析と比較し、全ゲノム解析では、より多くの変異を同定することが可能となったが、病原性のある変異は同定できなかった。追加解析として、他の遺伝性白質脳症の原因遺伝子も含めて追加解析を実施したが、これまでのところ明らかな病原性変異を認めなかった。これらの結果から、解析対象とする遺伝子の種類や解析対象とする変異の条件(アレル頻度等)を見直しを行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はHTRA1ノックアウトマウスの研究で異常蓄積を認た細胞外マトリックス蛋白の中で、未解析な遺伝子も解析対象に加えて、追加解析を実施する。さらに、脳小血管病の発症に関与する可能性のある新規の候補遺伝子についても文献を渉猟し、解析対象に加える。加えて、解析対象とする遺伝子変異の条件についてもより幅広い変異を対象とするように条件を見直す。2024年度上半期にはこれら次世代シーケンサー解析による遺伝子解析を完了し、2024年度下半期には、HTRA1関連脳小血管病の発症に関連する候補遺伝子の絞り込みを進めていきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)