Project/Area Number |
23K14772
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52020:Neurology-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
辻河 高陽 名古屋大学, 高等研究院(医), 特任助教 (60880862)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | メカノトランスダクション / filamin-A / 高速原子間力顕微鏡 / 細胞形態解析 / オミクス / タウ / 神経変性疾患 / フィラミンA / 生物物理学 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、タウオパチー病態関連分子として研究者が新規に同定したFilamin-Aのメカノトランスダクションがタウ凝集形成に与える影響を検証する。タウオパチーは脳内のタウ凝集を病理学的特徴とし、高齢者を中心に発症する。また、反復性頭部外傷に続発するタウオパチーに社会的関心が高まっている。研究者はFilamin-Aによるタウ凝集促進作用を見出した。今回、Filamin-Aのメカノトランスダクションに着目し、1)高速原子間力顕微鏡、2)培養細胞伸展システム、3)マウス制御皮質衝撃モデルを用いてFilamin-Aの物理学的な変調がタウ凝集に与える影響をマルチスケールな視点で検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、filamin-Aの機械刺激に応答するシグナル伝達、則ちメカノトランスダクションに着目し、filamin-Aの物理学的な変調がタウ凝集に与える影響を1)分子、2)細胞、3)個体とマルチスケールな視点で検証し、タウオパチーに関連する機械刺激依存的filamin-Aの分子病態を解明することが目的である。 1)高速原子間力顕微鏡を用いた野生型filamin-Aの1分子挙動の計測を進めている。また、分子動力学シミュレーションも活用し、タウオパチーに同定された変異型filamin-Aの構造変化を検討し、その分子挙動の計測も計画している。 2)野生型filamin-Aを高発現する神経系細胞株を作製した。細胞形態解析イメージングにより野生型filamin-A高発現神経系細胞株の細胞表現型として細胞径の増大、神経突起伸長の抑制、アクチン繊維の凝集を同定した。今後は機械的刺激を加えて、これらの細胞形態・凝集構造のさらなる変化や生化学的シグナル伝達の変化を検証する。 3)野生型filamin-A高発現マウスに対する多階層オミクス解析を実施している。特にマウス大脳皮質の解析を重点化しており、これまでにfilamin-A高発現によるクロマチン動態変化、神経活動関連遺伝子や細胞骨格関連遺伝子の発現量変化、モノアミン代謝変化を見出している。また、ビデオトラッキングシステムによる自動行動解析により、野生型filamin-A高発現マウスの運動機能低下や行動異常を示した。今後は外傷性脳損傷を加えて、これらのオミクスデータの変化を検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Filamin-Aのメカノトランスダクションを同定する前段階として、非機械刺激時のfilamin-A高発現神経系細胞・マウス脳の分子病態を明らかにしてきた。また、高速原子間力顕微鏡や分子動力学シミュレーション等の物理学的実験や細胞形態解析イメージングに際して各分野の研究者らとの共同研究体制を構築しつつある。今後は、filamin-A高発現と機械刺激による相互作用がタウオパチーの病態形成に与える影響についてを、分子、細胞、個体の様々なスケールで検討できることが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
高速原子間力顕微鏡を用いて野生型と変異型のfilamin-Aの1分子挙動変化を見出し、filamin-A1分子の物理的変調がアクチン動態やタウ凝集形成に与える影響を検証する。また、野生型filamin-A高発現神経系細胞株に対しては培養細胞伸展システムを用いて機械的刺激を加え、細胞径、神経突起伸長、アクチン繊維の凝集の変化や生化学的シグナル伝達の変化を検証する。また、外傷性脳損傷のモデル動物実験環境を野生型filamin-A高発現マウスに応用し、遺伝子発現やモノアミン代謝の変化について検証する。本研究の遂行を通し、神経変性疾患病態を「静的」に捉えて解析する従来手法に加えて、時空間内で「動的」に病態を捉えることを重点化する神経学と物理学との融合研究の基盤形成を図る。
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