Project/Area Number |
23K14782
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52020:Neurology-related
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
江浦 信之 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (30745360)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 眼咽頭遠位型ミオパチー / シングルセル解析 / 分子病理学 |
Outline of Research at the Start |
眼咽頭遠位型ミオパチー (OPDM) は、中年期以降に発症する進行性の眼筋、咽頭筋、四肢遠位筋優位の筋力低下を来す筋疾患であり、LRP12、GIPC1、NOTCH2NLC、RILPL1遺伝子の5’非翻訳領域に存在するCGGリピート伸長により発症するが、病態機序や治療法は不明である。本研究では、OPDM病態解明、疾患モデルの樹立を目的とし、OPDM患者骨格筋のすべての細胞核のトランスクリプトームを得るために単一核RNA sequencingを用いてOPDM特異的な遺伝子を同定する。さらにOPDM特異的な遺伝子発現を導入した培養細胞系にて、OPDM疾患モデルをの樹立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「眼咽頭遠位型ミオパチー(OPDM)の分子病態を解明し、OPDM筋病理を反映した疾患モデルを作製する」ことである。2023年度は①単一核トランスクリプトーム解析(snRNA-seq)で得られたOPDM特異的な細胞集団のcharacterization(細胞数、トランスクリプトーム発現)と筋病理との比較、② OPDM特異的なトランスクリプトーム発現の同定と免疫染色、について解析を進めた。 まず、OPDM患者由来の凍結筋を用いたsnRNA-seqにより、OPDM患者骨格筋のトランスクリプトームデータを得た。このデータを、健常者由来の骨格筋から得たトランスクリプトームデータと比較することにより、OPDMでは健常者にはみられないトランスクリプトームを有する筋線維集団があることを同定した。その集団において特異的に発現している遺伝子を2つ同定し、免疫染色を用いてこれらの遺伝子から作られるタンパクは、OPDMにおいて病的に萎縮した筋線維で排他的に発現していることを確認した。さらに、トランスクリプトームデータの疑似的な時系列を明らかにするtrajectory解析を行うことによって、正常な筋線維が病的な萎縮をきたしていく過程をトランスクリプトームの変化として同定することができた。その変性経路において、特異的に発現している遺伝子変化を逐一同定し、疾患初期マーカーとして期待される遺伝子、およびその遺伝子から作られるタンパクの筋線維内における発現を免疫染色で確認した。このタンパクは萎縮していない筋線維において発現していた。 これらの結果により、OPDMの病態をトランスクリプトームデータに基づいて説明することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
snRNA-seq、および免疫染色を用いて、1年目のマイルストーンであるOPDM罹患筋の細胞集団のcharacterizationを進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、罹患筋の表現型を規定する分子カスケードとOPDM特異的なトランスクリプトームの同定に向け、引き続きtrajectory解析を用いた手法で研究を進めていく。 また、OPDM特異的な遺伝子変化を再現した細胞モデルの確立に向け、培養細胞を用いた実験を計画している。
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