Project/Area Number |
23K14836
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
井上 明星 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (20803349)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
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Keywords | 精神疲労 / 働き方改革 / 胸部X線写真 / 頭部造影MRI / 腹部造影CT / 早期肺癌 / 転移性脳腫瘍 / 転移性肝腫瘍 / 長時間労働 / 画像診断 / 眼球運動 |
Outline of Research at the Start |
わが国では、医療従事者の長時間労働が問題視されるようになってきている。長時間の読影が画像診断医の精神疲労を及ぼすことが報告されているが、医療を受ける患者(診断結果)に及ぼす影響は明らかにされていない。本研究では、通常業務時と長時間労働時の画像診断における読影エラーの要因と精神疲労度の関係を明らかにし、長時間労働が診断結果に及ぼす影響を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、長時間の勤務による画像診断医の精神疲労が、医療を受ける患者(診断結果)に及ぼす影響は明らかにすることである。複数人の画像診断医に、疲労が少ない状態と長時間労働後の疲労が蓄積した状態で種々の診断タスク([1]胸部X線写真[n=100, 肺結節検出]、[2]頭部造影MRI[n=40, 脳転移検索]、[3]肝転移検索[n=40, 腹部造影CT]、肺転移検索[n=40, 胸部非造影CT])を依頼し、診断能の差を比較する。診断前後で、疲労度を主観的、客観的に評価する。また、胸部X線写真による肺結節検出タスクでは、病変を見逃しているのか(perception error)、見ているのに認識していない(interpretation error)のかを区別する。2023年度は、読影実験に使用する画像の抽出、読影環境および疲労度計測法の決定を行った。 (1)読影実験に使用する画像の選定:画像診断医の精神疲労を評価を目的とした課題に使用する画像([1]胸部X線写真、[2]頭部造影MR画像、[3]腹部造影CT画像)の収集を行い、[1]、[2]に関しては収集を終えた。 (2)画像診断医の疲労度計測法:主観的評価として[1]アンケートへの回答、客観的評価として[2]フリッカーテスト、[2]クレペリン検査(和法、1分×5回)を行うことに決定した。フリッカー値測定器Ⅱ型(自動型)を購入し、クレペリン検査を施行するタブレットアプリ(Kraepelin Training)を選出した。 (3)Eye-trackerのセットアップ:胸部X線写真の評価では、perception error、interpretation errorを区別するため、画像診断医の視線を記録できるeye-traker systemを購入し、セットアップに着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、読影実験に使用する胸部X線写真、頭部造影MR画像、腹部造影CT画像、胸部CT画像を2023年度に収集し、standard referenceを確定する予定であったが、現時点では腹部造影CTのstandard referenceの確定が遅れている状況である。 [1]胸部X線写真(肺結節検出):当初はファントム(ラングマン)を使用して画像評価を行う予定であったが、胸部CT画像検査で裏付けられた健診発見肺癌あるいは早期肺癌の十分な数の胸部X線写真が集積したため、これを読影実験に使用することとした。 [2]頭部造影MR画像(脳転移検索):約2年間の脳転移が疑われ、頭部造影MRI検査が行われた症例を検索し、5mm以下の転移巣が少なくとも1カ所認められた症例を拾い上げた。さらに、過去画像、フォローアップ画像で増大あるいは治療による縮小が認められ、臨床的に脳転移と判定された28症例および、過去画像、対象画像、フォローアップ画像の3点で異常なしと判断された12症例を抽出した。 [3]腹部造影CT画像(肝転移検索):悪性腫瘍の経過観察で行われた造影CT検査を検索し、7個以下の転移巣が認められる症例を抽出した。過去画像、フォローアップ画像を参照し、増大あるいは治療による縮小を認められたことを確認しする予定である。 また、読影を行う端末の準備、疲労度計測法の準備、Eye-trackerの購入とセットアップを行った。
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Strategy for Future Research Activity |
データ収集の効率化を図るため、アンケートはWeb上での入力、クレペリンテストはタブレット上で行うことを予定している。 読影実験に参加する画像診断医は4タスク×2セッション(非疲労蓄積時、疲労蓄積時)を依頼する予定であったが、負担が多いため、参加を拒否する画像診断医が少なからず予想される。この負担を軽減するために、職場に勤務調整を依頼している。また、胸部CT画像に関しては頭部造影MRI(脳転移検索)と同様に高コントラスト病変を検出するタスクであり、画像診断医の負担を考慮して割愛することも検討している。
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