Project/Area Number |
23K14854
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
富澤 建斗 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 医員 (20970429)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
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Keywords | 子宮頸癌 / 放射線治療 / メタボローム解析 / RNAシーケンス解析 |
Outline of Research at the Start |
がんに対する放射線治療の効果規定因子は明確ではなく、放射線治療の個別最適化の実現には放射線感受性のバイオマーカー確立が喫緊の課題である。がんの代謝異常は放射線感受性に密接に関与し、血中代謝産物は放射線感受性を予測するリキッドバイオプシーへの展開も期待される。 本研究では、子宮頸癌をモデルとし、放射線治療前および治療中の経時的な腫瘍組織・血液を用いたメタボローム解析を行う。①放射線治療中の子宮頸癌組織の代謝産物の変化を解明し、②さらに血中において放射線治療による腫瘍組織の代謝産物の変化が検出可能かを明らかにすることで、放射線感受性予測バイオマーカーの確立につながる知見を得ることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は研究代表者の属する国立がん研究センター東病院および共同研究施設である群馬大学医学部附属病院にて一括審査を用いて倫理審査委員会に新規研究許可申請を行い、それぞれの施設で本研究の実施許可を得た。 当該年度9月より各施設で研究を開始しており、子宮頸癌の放射線治療症例の登録を進め、各症例から放射線治療の前・中(10Gy時点)の腫瘍・血液検体を採取している。当該年度ではそれぞれ国立がん研究センター東病院で4例、群馬大学医学部附属病院で1例ずつ登録され、治療前・中の腫瘍・血液検体それぞれ合計10検体ずつを採取した。2024年度にも引き続き症例登録、および、検体採取を継続し、予定された8症例全ての検体採取が完了した際には、代謝物質の網羅解析(メタボローム解析)を行う予定である。 既に検体採取済みの2症例で、放射線治療の前・中の腫瘍から採取した合計4検体に対してまずはRNAシーケンスを行った。それらの検体に対してHallmark gene set 50パスウェイを用いてGene set enrichment analysis を施行したところ、放射線治療前の検体と比較すると、治療中の検体ではがん代謝に多彩な影響を与える「MYC、E2F、低酸素、mTORC1」、免疫反応において中心的役割を担う「TNF-αシグナル」が抑制されていることを確認した。以上の結果より、子宮頸癌に対する放射線治療によって10Gy投与時点で既に腫瘍代謝に影響を及ぼしている可能性が示唆された。今後行うメタボローム解析ではその代謝の変化について、網羅的に解析・評価する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定通り、2023年度内に各施設内で本研究の実施許可を得て症例の登録、および、検体採取を進めることはできているが、当初の予定では当該年度から始める予定であったメタボローム解析を未だ行っていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は引き続き症例登録を進め、2024年度内に全例の登録を完了し、放射線治療の前・中の子宮頸癌腫瘍・血液検体を採取する予定である。全ての検体採取が完了し次第、水溶性・イオン性・脂溶性・中性代謝物質の網羅解析(メタボローム解析)を行う。それにより、放射線治療中の子宮頸癌組織の代謝産物の変化を解明し、さらに血中において放射線治療による腫瘍組織の代謝産物の変化が検出可能かを明らかにすることで、腫瘍組織と血中の代謝産物による放射線感受性予測バイオマーカーの確立につながる知見を得る。
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