AIを活用したゲノム解析とRNA解析による神経発達症の新規遺伝学的解析スキームの創造
Project/Area Number |
23K14944
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
平出 拓也 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (70783447)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
|
Keywords | マルチオミクス解析 / ゲノム解析 / RNA解析 / AI |
Outline of Research at the Start |
神経発達症は知的障害や自閉スペクトラム症などを含む脳機能障害であり、エクソーム解析により多くの原因遺伝子が同定されている。しかし、半数以上の症例は原因不明である。本研究は、この未解決の症例に対し、ゲノム解析とトランスクリプトーム解析(RNA-seq)によるマルチオミクス解析を行う。ゲノム解析では、複数のDeeplearningアルゴリズムを用いたスプライシング異常検出、コピー数異常やトランスポゾン挿入などの複雑な構造異常検出といった最先端のインフォマティクス解析を取り入れる。本研究により、先天異常を合併した神経発達症の新規疾患発症機序を解明し、患者管理の向上や遺伝カウンセリングに貢献する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
エクソーム解析により原因が同定できていない、知的障害/発達遅延に加えて神経学的所見や形態異常などの他の臨床所見を合併した症例、10例に対しゲノム解析を行った。。Deep learningを利用したAIソフトである、4つのスプライシング予測ツール(SpliceAI、MMSplice、SpliceRover、Pangolin)を使用してスプライシング予測を行い、スプライシング異常を検出した。これらの複数のスプライシング予測を組み合わせて使用することは、候補バリアントの見逃しを防ぐことに有用であった。スプライス異常が予測されたバリアントに関しては、尿由来細胞を用いたRNA-seqデータを用いて検証した。ゲノム解析とRNA解析によるマルチオミクス解析の結果、知的障害と脳形成異常を伴う症例において、BUB1B遺伝子のイントロン領域にレトロトランスポゾンが挿入され、スプライシング異常が起きている可能性が考慮される症例を同定した。ショートリードシークエンサーでは挿入の全域を明らかにすることができなかった。ロングリードシークエンサーを用いたゲノム解析を行い、イントロンにおけるレトロトランスポゾン挿入が疾患原因になることを解明することができた。また、知的発達症、大脳白質変性症、ネフローゼ症候群を示す症例において、TPRKB遺伝子に複合ヘテロバリアントを同定した。TPRKB遺伝子を原因とする症例は、これまでに世界で2症例のみの報告であったため、論文報告を行った。我々の症例は、TPRKB遺伝子の機能バリアントが関連した初めての症例であった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標の数のゲノム解析を施行することができた。一方、解析データが多いためすべてを解析しきれていないため来年度も継続して解析を行う必要がある。来年度も新たな症例のゲノム解析を行う予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度に行ったゲノム解析の解析を引き続き行う。来年度も症例を集め、10症例を目標にゲノム解析とRNA解析を行う。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)