神経幹細胞増幅を促すミトコンドリア脂質代謝とその破綻による脳形成異常機構の解明
Project/Area Number |
23K14958
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中村 勇治 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (60788024)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | PNPLA8 / 脳オルガノイド / 脳形成異常 / 脂質代謝 |
Outline of Research at the Start |
我々はこれまでに、単純脳回型小頭症を呈する患者に新規の原因遺伝子PNPLA8を同定し、PNPLA8がその機能を介してヒトの脳形成を制御している可能性を世界で初めて示した。神経幹細胞の運命決定因子として注目されるミトコンドリアを構成する膜は、PNPLA8による脂質代謝の標的である。本研究は、ミトコンドリアがPNPLA8依存的に最適化されることで神経幹細胞が自己複製へ運命決定されると仮説を立て、脳オルガノイドを用いて仮説検証する。PNPLA8依存的な脳形成機構の解明は、高度な知能をヒトが得た進化の解明に繋がるとともに、脳形成障害患者の治療法開発の基盤となる波及効果を持つ。
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Outline of Annual Research Achievements |
まず、これまでに作製していたPNPLA8ノックアウトヒトiPS細胞と、PNPLA8変異を有する患者から樹立したiPS細胞を用いて脳オルガノイドを作製し、表現型の解析を行った。これまでにPNPLA8機能喪失により外側放射状グリア細胞が有意に減少することが分かっていたが、それに加えてPNPLA8機能喪失下では放射状グリアが細胞周期を離脱した細胞が有意に増加することが分かった。次に、脳オルガノイドの放射状グリアをターゲットに空間トランスクリプトーム解析を行った。その結果、PNPLA8機能喪失では放射状グリアでは神経細胞への分化が亢進し、外側放射状グリア細胞の産生が低下する遺伝子発現パターンとなっていることが分かり、これまでの表現型解析と合致する結果であった。次に、放射状グリアのリン脂質がどのように変化しているかを調べるため、iPS細胞から二次元の神経幹細胞を誘導し、これを用いてリピドミクス解析を行った。その結果、PNPLA8ノックアウト神経幹細胞ではリゾホスファチジン酸(LPA)を含む数種類のリン脂質が減少していることが分かった。以上の結果から、ホスホリパーゼであるPNPLA8の欠損によりリン脂質の構成変化が生じ、その結果放射状グリアの運命決定が変化し、外側放射状グリア細胞の産生が減少するとともに神経細胞への分化が亢進することが分かった。強い分裂能を持つ外側放射状グリア細胞の減少が小頭症の原因になることが、これらの実験により証明された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)