Project/Area Number |
23K14965
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
石川 尊士 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 小児内科系専門診療部, 医師 (80821107)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 自己炎症性疾患 / インターフェロン / Ⅰ型インターフェロン異常症 / ヘテロ接合性変異 / 間質性肺炎 |
Outline of Research at the Start |
Ⅰ型インターフェロン(IFN)異常症は、乳児期早期から発熱・間質性肺炎・脳内石灰化・皮疹を呈する自己炎症性疾患である。我々は、本疾患が疑われる患者から新規遺伝子変異を発見した。本研究の目的は、この新規遺伝子変異によるⅠ型IFN異常症発症の機序を解明し、適切な治療薬を検討することである。まず、患者細胞で変異遺伝子がコードするタンパクの発現・機能解析を行う。つぎに、遺伝子導入細胞株で解析を行う。さらに、治療薬としてJAK(Janus kinase)阻害薬などの検討を行う。本研究の成果は、新規遺伝子変異によるⅠ型IFN異常症発症の機序に関して新たな知見をもたらし、治療法の確立につながるものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では新規遺伝子変異がⅠ型IFN異常症の病態を引き起こしているかを検討する。2023年度では、その新規遺伝子から産生されるタンパク(Xタンパクとする)の発現および機能解析を患者細胞を用いて行った。 ①末梢血単核球(PBMC)におけるXタンパクの発現解析 Xタンパクに対する抗体を用いてフローサイトメトリー法により、PBMCにおけるXタンパク発現を確認した。IFNαによる24時間刺激後のPBMCにおいて、Xタンパクが健常者と同様に発現していた。さらに、ウェスタンブロッティング法でも同様な結果が得られた。 ②Xタンパクの機能解析 PBMCをIFNαにより様々な時間で刺激後、患者ではIFNが過剰に産生されるか確認した。Ⅰ型IFNサイトカインをELISAで測定しようとしたが、感度未満であり測定できなかった。次に、mRNAレベルでⅠ型IFNサイトカイン産生に関わるIFN signature geneの発現を測定した。その結果、患者PBMCではIFNα刺激に対して、健常者よりも過剰にIFN signature geneが発現し、刺激後もそれが持続することがわかった。 これまでの結果から、新規遺伝子変異ではXタンパクの発現は認めるが、そのXタンパクの機能異常が推測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フローサイトメトリー法では、細胞内に発現しているXタンパクの染色が困難であり、細胞内染色の条件検討に時間を要した。 ウェスタンブロッティング法では、PBMCにおけるXタンパク量が少なかったために、タンパク検出する条件検討に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、Xタンパクの機能解析として、Xタンパクの結合およびリン酸化の検討を行う。正常なXタンパクはSTAT2と結合し作用すると考えられているため、STAT2との結合性を免疫沈降法を用いて評価する。また、細胞にⅠ型IFN刺激のシグナルが入ると、正常なXタンパクはSTAT2と結合することでSTAT2のリン酸化を抑制し、Ⅰ型IFN産生にネガティブフィードバックをかける。そのため、患者PBMCでは、反対にSTAT2のリン酸化が過剰に起きているかウェスタンブロッティング法で解析する。 次に、X遺伝子変異の病原性を評価するために、正常遺伝子導入した患者細胞による解析を行う。患者の単球細胞にCRISPR-Cas9により正常遺伝子を導入し、Xタンパク機能が正常化するか確認する。 さらに、患者のX遺伝子の複合ヘテロ接合性変異がⅠ型IFN異常症の病因であるか確認するために、X遺伝子ノックアウト細胞株に変異遺伝子を導入し、患者細胞と同様な病態を呈するか確認する。 これらの解析により、新規遺伝子変異とXタンパク機能異常を関連付けることができると考えている。
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