Project/Area Number |
23K14967
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堅田 有宇 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (30887386)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 先天性グリコシル化異常症 / ALG14 / 先天性筋無力症 / glycosylation / CDG / myasthenic syndrome / CMS / 先天性筋無力症候群 / 重症心身障害児 / 全エクソーム解析 |
Outline of Research at the Start |
ALG14はN結合型糖鎖修飾の第二段階を触媒するタンパクであり、その機能異常で先天性グリコシル化異常症 (CDG) をきたす。我が国では原因不明の精神運動発達遅滞の1%がCDGと推定されており、頻度の高い疾患群である。これまで、ALG14変異によるCDGが幅広い症状をきたす理由や中枢神経系に異常をきたす機序は不明であった。本研究では、患者から採取し培養した皮膚線維芽細胞・ALG14変異を導入した細胞系・ノックインマウスを用いた、ALG14-CDGの発症機序の解明を目的とする。ALG14はN結合型糖鎖修飾の初期段階に関わるので、その病態解明によりCDG全体の疾患概念も深まる。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、当初予定外であった研究者の異動があったため、研究室に定期的に通うことが困難になった、そのため、当初予定した細胞実験が一部遅延することはやむを得なかった。しかし、地道に研究活動を続ける中で、研究者の経験した2症例と同様のALG14の病的バリアントをもつ新たな患者の存在が判明した。その患者御家族に適切にアプローチし、研究者の研究内容について説明をすることで、検体採取の同意が得られたため、皮膚検体を追加採取できることとなった。同様の細胞培養のプロトコールに従い、予定している細胞実験に十分な皮膚線維芽細胞を培養し、凍結保存した。新たな患者検体を得ることにより、当初2症例で行う予定であった解析を3症例で行うことが可能となり、研究により厚みが増した。 さらに、研究者自身の先行論文をきっかけに、米国の先天性グリコシル化異常症に精通した専門医・患者とコンタクトをとる機会を得た。その専門医は、先天性グリコシル化異常症の診療ガイドラインの作成にも携わっている、シアトル子ども病院(Seattle Children’s Hospital)の権威のある医師である。同時に、その患者ご家族とも連絡を取り合うことにより、検体採取の同意を得ることができた。今後、本症例と異なるALG14病的バリアントをもつ患者の皮膚線維芽細胞の採取が可能となる見込みであり、目標である新規治療薬の開発に一歩近づくことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、当初予定外であった研究者の異動があったため、研究室に定期的に通うことが困難になった、そのため、当初予定した細胞実験が一部遅延することはやむを得なかった。 しかし、前述のように新たな検体を得る機会や、他国の専門医・患者とのつながりを持つことが可能となり、研究に厚みが増しており、全体としてはおおむね順調と評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は追加の皮膚線維芽細胞を用いた実験と、予定していた強制発現系を用いた細胞実験を中心に行う。具体的には、研究者が新規に同定したp.Gly145Arg、p.Val197Glyをヘテロ接合性にもつ3患者の皮膚線維芽細胞において、グリコシル化のマーカーが低下し、治療薬候補によりそれが改善することを確認する。強制発現系では、当初の予定通り、mRNAやタンパク抽出を行い、qPCR法やイムノブロット法でALG14遺伝子、ALG14タンパクの発現量を比較する。 なお、モデルマウスの作製は2025年度を予定しているが、本年度中にも準備を進めていく予定である。
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