Project/Area Number |
23K15001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53010:Gastroenterology-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
下山 雄丞 東北大学, 大学病院, 助教 (50888518)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 線維化 / 腸管狭窄 / CD163 / クローン病 / マクロファージ / 腸管線維化 |
Outline of Research at the Start |
クローン病においては線維化(腸管が硬くなる)による狭窄(狭くなって食物などが通らない)が問題となっていますが、近年、マクロファージという細胞が色々な病気での線維化に重要な役割を演じていることが明らかになってきています。 マクロファージにも様々な種類があるとされますが、本研究では抗炎症作用や線維化に影響を及ぼすと考えられているM2マクロファージという細胞に存在するCD163という分子に着目し、それがクローン病の腸管線維化の過程でどのような役割を果たしているかを明らかにします。 それにより新たな知見が得られれば、クローン病における新たな線維化治療につながる可能性があると考えられます。
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Outline of Annual Research Achievements |
消化管狭窄があり、腸管切除手術を施行されたクローン病患者の手術標本においてマクロファージの各種表面抗原(CD68,CD163,CD206,iNOSなど)に対する免疫染色を行った。その結果としては、狭窄部では非狭窄部に比してCD163陽性細胞数が有意に多いという結果であり、M2マクロファージが腸管狭窄に寄与している可能性が示唆された。 マウスにおける消化管狭窄モデルの作成は困難であるため、野生型およびCD163ノックアウトマウスに対してDSSおよびTNBSの投与を行って炎症を誘導した。 既報より、DSSは1.75%とし1週間投与し2週間休薬、これを3サイクル繰り返した後、3週間で腸管を摘出するプロトコルを当初行っていたが、腸炎の影響か死亡するマウスがみられており2サイクルでの腸管摘出とした。また、TNBSは4mgを直腸内に投与しそれを1週間間隔で6サイクル繰り返した後、1週間で腸管を摘出するプロトコルを当初行っていたものの、こちらに関しても腸炎の影響か死亡するマウスがみられており、4サイクル終了後1週間で腸管摘出とした。 野生型マウス群とCD163ノックアウトマウス群において、腸炎誘導中の体重変化量などについて現在解析を行っている。また、腸管サンプルの回収が終了したため、現在は炎症の程度を病理学的に評価しつつsirius red染色による腸管の線維化マーカーについても評価中である。さらに、採取したサンプルからRNAも抽出しており、今後RT-PCRで各種サイトカインなども評価予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
クローン病患者検体の免疫染色は予定の半分程度の検体数を行ってTissue FAXSによる陽性細胞数を評価した。今後さらに免疫染色の検体数を増やす予定である。 マウスを用いた実験について、CD163ノックアウトマウスは外部企業へ作成依頼したものであるが、遺伝子型のタイピングに難渋し作成元の企業との打ち合わせ・PCRの条件検討を繰り返し要したためマウス実験を開始するのに時間がかかった。さらに、腸炎の誘導に関しても薬剤投与量、投与間隔、投与サイクル数の検討も要した。各種検討を終了し、マウス腸炎誘導プロトコルが確立できたため今後はさらに腸炎誘導を繰り返して検体数を増やしていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
クローン病患者標本での免疫染色検体数を増やしていく。 マウスにおける検討ではDSSおよびTNBS腸炎マウスモデルの作成をさらに行って、野生型マウス群とCD163ノックアウトマウス群における表現系の差や腸炎の程度・線維化マーカーに差がないかを検証する。また、現在行っていないCD163ノックアウトマウスからのマクロファージ 回収・腸管上皮オルガノイドとの共培養については今後手技の習熟・確立を目指す予定である。
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