• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to previous page

筋板形成機構の破綻に着目した胃癌浸潤過程の全容解明

Research Project

Project/Area Number 23K15041
Research Category

Grant-in-Aid for Early-Career Scientists

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section Basic Section 53010:Gastroenterology-related
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

上原 慶一郎  神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (70710557)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
KeywordsヒトiPS細胞 / 分化誘導 / 胃オルガノイド / 粘膜筋板
Outline of Research at the Start

本研究では、癌浸潤部で粘膜筋板が修復されていないことに着目し、胃癌における粘膜筋板再形成が破綻していることで浸潤しているメカニズムを考えた。それを証明するために、これまでの申請者の研究でヒトiPS細胞を用いて粘膜筋板を伴った胃オルガノイドを作成したが、どのような細胞から粘膜筋板に誘導されるかは不明であった。本研究では、粘膜筋板の元となる細胞を胃分化誘導の経時的シングルセルRNA-seq解析で明らかにする。そして、胃癌浸潤部で粘膜筋板が再形成されないのは、粘膜筋板形成因子によるものかそれとも筋板の元となる細胞によるものかを臨床検体を用いて明らかにし、胃癌浸潤メカニズムを解明する。

Outline of Annual Research Achievements

ヒトiPS細胞から胃分化誘導を施行し、胃オルガノイドを長期培養することで胃上皮下に粘膜筋板が形成されることを示した。また、上皮由来のsonic hedgehog (SHH) signalとTGFβ signalが粘膜筋板形成に関わることも示した。本研究では、ヒトiPS細胞から胃分化誘導を行い、分化誘導後1週目のスフェロイド、3週目、6週目、8週目の胃オルガノイドだけでなく、SHH阻害剤、TGFβ阻害剤を投与した6週目と8週目の胃オルガノイドからFFPE (formaline fixed parafin embeded)ブロックの作成した。まず、HE染色を行うことで、3週目のオルガノイドから上皮構造が認められるようになり、6週目や8週目のオルガノイドではHE染色にてオルガノイド内に胃粘膜と同様の上皮の折りたたまれた構造が認められ、上皮下に紡錘形細胞の束を形成する像を認めた。免疫染色にて上皮には胃腺窩上皮マーカーであるMAC5acの発現が認められ、直下の紡錘形細胞にはαSMAの発現がみられたことから、胃粘膜と胃粘膜筋板と考えられ、壁構造を形成しているものと考えられた。経時的にも組織構造の評価を行うことができ、3週目の胃オルガノイドまでは、粘膜筋板の形成は認められなかった。FFPEブロックを作成することで、免疫染色やin situ hybridization、空間的トランスクリプトーム解析を行うことができ、経時的かつ組織学的にタンパク質発現や遺伝子発現を評価することができるようになった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ヒトiPS細胞から分化誘導し、胃オルガノイドを作成する。そしてiPS細胞や分化誘導1週目のスフェロイド、3週目、6週目、8週目のオルガノイドとSHH阻害剤やTGFβ阻害薬を投与した6週目、8週目のオルガノイドを培養し、FFPEブロックを作成した。HE染色にて、胃粘膜様の上皮の折りたたまれた構造がみられ、直下に紡錘形細胞の束を認めた。免疫染色にて、上皮には胃腺窩上皮マーカーであるMUC5ac発現が認められ、紡錘形細胞にはαSMAが陽性を示し、粘膜構造が構成されていることを確認する。また、SHH阻害剤やTGFβ阻害剤が投与されたオルガノイドでは、上皮下のαSMA陽性の平滑筋細胞が消失もしくは減少していることを確認した。

Strategy for Future Research Activity

経時的なFFPEブロックが作成されたことで、今後、空間的トランスクリプトーム解析を行う。これにより、組織学的にRNA発現をみることができ、それぞれの組織構造内での個々の細胞のRNA発現を評価できる。経時的RNA発現からRやPythomを用いて、クラスタリング解析やpseudotime解析を行うことで粘膜筋板の元となる細胞の特異的RNA発現を同定することが可能となる。そのタンパク質発現を免疫染色を用いてiPS細胞から胃オルガノイドの組織標本で評価する。そして、粘膜筋板を超えて、粘膜下層内に浸潤する胃癌症例で、手術にて切除され病理組織標本となっているFFPEサンプルを用いて、そのタンパク質の免疫染色を施行し、粘膜筋板の元となる細胞の発現程度や有無によって、予後やリンパ節、遠隔臓器への転移率に差があるかを調べる。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report

URL: 

Published: 2023-04-13   Modified: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi