Project/Area Number |
23K15092
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
後藤 準 山形大学, 医学部, 客員研究員 (70810836)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2026: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | ドキソルビシン心筋症 / DGKζ / ユビキチン / E6AP |
Outline of Research at the Start |
がんサバイバーの主要な死因は、心血管死である。ドキソルビシンは薬剤抵抗性や再発例に有効であるが、不可逆的な心筋傷害を引き起こす。未だドキソルビシン心筋症の発生を抑制する治療法は確立していない。DGKは、脂質メッセンジャーであるジアシルグリセロールをリン酸化してホスファチジン酸に変換する脂質代謝酵素である。DGKζは、ユビキチンプロテアソーム系を介してp53の分解を促進する。ドキソルビシン心筋症では、p53活性化を介した心筋細胞アポトーシスが心機能を増悪する。DGKζに対する遺伝子介入がドキソルビシン心筋症の発症を抑制するかを明らかにする。ドキソルビシン心筋症に対する新たな治療法の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年、治療法の進歩により、がん患者の予後は改善してきており、がんサバイバーは癌死ではなく、心血管死で亡くなる割合が増加していることが報告されている。(癌化学療法による薬剤性心筋症は、Type 1とType 2に分類されるが、アントラサイクリン系抗癌剤によるType 1心筋傷害は、不可逆的で、容量依存性、蓄積性があり、ときに重症化し予後不良となる。アントラサイクリン系抗癌剤の代表的薬剤にドキソルビシンがある。ドキソルビシンは様々な癌種に効果が見られるため、広く使用されている抗癌剤だが、ここに示すように用量依存的に不可逆的な心機能障害を引き起こす。心機能が低下する機序には、活性酸素種、ミトコンドリア、Top 2β、酸化ストレスに対する防御機能の破綻などが提唱されているが、完全には解明されていない。その中で、癌抑制遺伝子として知られるp53はドキソルビシン心毒性の発生過程に関わるMetabolic alteration, Apoptosis, Autophagyに強く関連していることが知られている。ジアシルグリセロールキナーゼ;Dgkはジアシルグリセロールのリン酸化を触媒する酵素であり、Dgkζは心臓で有意なアイソフォームである。Dgkζとp53の関連については、細胞質のDgkζはMdm2と相互作用し、ユビキチン化を介してp53を制御することが報告されています。しかしながらドキソルビシン心毒性においてDgkζがp53を制御するかどうか、その機能的役割についてはまだ解明されていない。我々の予備研究では、DGKζ-TGマウスでドキソルビシン投与後の生存率が改善し、p53の発現抑制が確認された。本研究の目的は、ドキソルビシンによる心筋傷害をDGKζがp53タンパク質の発現調整により抑制するかを明らかにすることである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Dgkζ-Tgマウスの心筋組織を用いてウエスタンブロットを行ったところ、タンパクレベルでのE6apおよびHsp70の発現が有意に低下しているということがわかった。DgkζとE6ap、Hsp70との関連を調べるため、Tgマウスの心臓をもちいて免疫沈降を行ったところ、Dgkζ-Tgマウス心臓ではDgkζがE6apとHsp70のそれぞれと直接結合しているのが確認できた。一方で、Hsp70とinteractionすると言われるChipに関しては、Dgkζとの直接的な結合は確認できなかった。ドキソルビシン投与後に心筋細胞の核内のDgkζが有意に低下することがわかった。予備実験でp53の発現抑制が認められたことと、今回の結果からDgkζは心筋においてもp53の制御に関わっていると思われた。しかしながら、DgkζはE3活性を持たないため、p53制御には相方となるE3 ligaseが必要であり、その候補としてE6apとChipと関連するHsp70、および神経細胞で既報のあるMdm2が考えられた。 Vitroにおいて、はじめに培養心筋細胞であるH9C2にDGKζを過剰発現させ、ドキソルビシン刺激を行い、ウエスタンブロットを行ったところ、vivoの結果と同様にvitroでもDGKζを過剰発現させると、p53の増加が有意に抑えられるという結果になった。vitroにおいてVivoでinteractionが示されたタンパク質とDgkζの関与およびp53制御について検討しようと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
Vitroにおいて培養心筋細胞であるH9C2にドキソルビシンを投与し、経時的なタンパクレベルの変化を検証する。我々は予備実験E6apとDgkζがvitroでも心筋細胞においてp53がE6APと結合することを発見した。DgkζがE6apのユビキチン化亢進に寄与するかを検討する。またE6ap、Chip、Mdm2をノックダウンした際の細胞でドキソルビシン刺激によるp53を含めたアポトーシス経路について検証する。その際Dgkζの過剰発現を加えることでそれらのタンパク量が変化するかも検討し、最終的にどのような経路を通してDgkζがドキソルビシン心筋症に対して保護的に働いているのかを検討したいと考えている。
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