Project/Area Number |
23K15101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三宅 啓介 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (60774495)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 細胞再生治療 / 投与効果の改善 / 再生医療 |
Outline of Research at the Start |
閉塞性動脈硬化症の重症型である重症虚血肢は下肢切断のリスクが高く、下肢切断後の死亡リスクも高い。また、患者数も世界的に増加していることから深刻な社会問題となっている。加えて、診断時点で20-45%の患者は標準治療(血行再建)が困難であり、未治療であることは高い死亡リスクにつながることから、標準治療に代わる治療法が求められており、再生医療に期待がよせられてきた。しかし、再生治療は現状十分な効果が示されていない。本研究では、再生治療を高めるための治療法を用いて重症虚血肢に対して有効な再生治療を開発することを目的とした研究である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、世界中で増加している動脈硬化性疾患である末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)に対して有効な再生治療の開発を目指した研究である。これまでの再生医療研究は、in vitro, in vivoで効果を示すことができてきているが、実臨床においては、有効性に乏しいというギャップに苦しんできていた。その原因の一つは、不適切な動物実験モデルと考えられる。これまでの研究は殆どが急性虚血モデルを用いた研究であり、実臨床に近い非急性、慢性の虚血モデルを用いた研究は極めて少ない。また、高度の炎症・虚血環境において細胞が容易に死滅してしまうという生着率の低さも大きな障壁として存在している。そこで、本研究では、非急性下肢虚血モデルを作成するとともに、細胞治療効果を高める方法の樹立を目指している。 これまでにヒトiPS細胞からMSCを樹立し、その樹立したiPS-MSCを用いた細胞塊の作成に成功した。これを用いて、NOD-SCIDマウスを用いて作成に成功した、非急性後肢虚血モデルに対してiPS-MSC細胞塊の投与実験を実施した。比較対象群としては、生理食塩水の投与および細胞塊化していないiPS-MSCとした。 この結果、iPS-MSCの投与と生理食塩水の投与群の間に、血流回復の有意差はなく、iPS-MSCの細胞塊群のみが有意にすぐれた虚血改善効果を示すことを確認した。我々がこの効果が細胞集塊が有する細胞外マトリックスおよび、細胞間のシグナル伝達が細胞生着率の改善に寄与するとの仮説をたて、追加で実験を実施した。iPS-MSCの細胞塊は細胞外マトリックスを有すること、ならびに後肢の虚血導入後に生じる筋細胞の間の裂隙にiPS-MSC細胞塊が挟み込むようなかたちで存在することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度においては、動物実験を用いた有効性を確認することを目標としていた。 本年度内に、動物実験を用いた有効性検証試験は完了したため、研究の進捗状況は順調であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、細胞生着率の改善効果のメカニズム検証、ならびに動物実験の際に取得した組織を用いて、タンパクレベルでの解析を実施することで、有効性を示すエビデンスを高めていく予定である。
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