Project/Area Number |
23K15115
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
津田 浩佑 大阪医科薬科大学, 医学部, 非常勤医師 (10908388)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 心不全 / 鉄欠乏 |
Outline of Research at the Start |
鉄欠乏を併存する心不全患者は貧血の有無に関わらず予後不良であることが示されているが、現在本邦では一般的に貧血がない場合には鉄欠乏の評価が行われないため、鉄欠乏を併存する心不全患者の実態が不透明である。 本研究は急性心不全患者全体における鉄欠乏を併存する割合だけでなく、鉄欠乏の有無による運動耐容能・生活の質・転帰の差異について明らかにすることを目指す。その結果として、心不全患者における鉄欠乏の評価の重要性の啓蒙、鉄補充療法などによる治療介入、および運動耐容能・生活の質の向上、心不全再入院率の低下などにつなげることが期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
鉄欠乏は循環器疾患、とくに心不全に併存する割合が非常に高いことが知られている。その頻度は50-70%とされ、鉄欠乏を合併した症例は貧血の有無に関わらず予後不良である。左室収縮能の低下した心不全においては鉄欠乏の治療についてのエビデンスが蓄積され、海外のガイドラインでは鉄剤の経静脈投与に治療推奨度がつき、治療可能な併存症との認識が高まっている。また急性心不全患者において、入院中の鉄動態評価が推奨されている。しかし、本邦では鉄動態の評価や治療についてのガイドラインにおける言及はなく、実臨床において心不全患者の鉄動態評価および治療が十分に行われているとは言い難い。今年度はまず現状の実態把握のため、既存の心不全レジストリを用いて入院心不全患者で入院中に鉄動態が評価された割合、そのうち鉄欠乏の有病率、および鉄欠乏を有する症例の予後について、検討を行った。結果、鉄動態は貧血のない症例では57%、貧血のある症例でも72%しか評価されていなかった。鉄欠乏は貧血のない症例でも50%、貧血のある症例では67%と高率に併存していた。本邦の心不全患者においても、鉄欠乏は貧血の有無に関わらず高率に併存していることが確認でき、また貧血のない症例においても鉄欠乏は予後不良と関連していた。鉄欠乏の適切な診断と治療最適化およびリスク層別化のため、心不全患者における鉄動態のルーチン評価を提案する。この結果については2024年10月の日本心不全学会で発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
利用した心不全レジストリに入院時と退院時の鉄剤内服、入院中の静注鉄剤使用、輸血の有無などのデータが欠損しており、電子カルテ上から追加の情報を収集することに想定以上の時間を要した。また、臨床業務多忙につき、研究への時間が制限された。
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Strategy for Future Research Activity |
心不全レジストリについては引き続きデータを収集し、症例数を増やしている。また次年度は鉄動態のデータが欠損している症例で、血液の保管検体が利用可能なものについて測定キットを用いて鉄欠乏の評価に必要なデータを補完することを目指す。
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