Project/Area Number |
23K15120
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
水口 賢史 北海道大学, 医学研究院, 特任助教 (30962154)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 大動脈弁狭窄症 / 心音 / 人工知能 / 呼吸音 |
Outline of Research at the Start |
◆大動脈弁狭窄症(Aortic Stenosis:AS)は主要な循環器疾患の一つであり、心不全症状を発症してからの平均生存期間は約2年と言われている。近年、無症状高度AS患者の中にも心不全発症リスクの高い患者が存在することが明らかとなり、心不全発症リスク評価には左心不全の有無を反映する左室充満圧の推定が有用であるが、心カテーテル検査を必須とし、僻地や離島においては事実上施行困難である。 ◆本研究の目的は、心電計付き電子聴診器から得られる心音および呼吸音を人工知能(AI)を用いた解析を行い、心カテーテル検査と同等の精度を持つ左室充満圧のAI推定システムを開発する事である。
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Outline of Annual Research Achievements |
心臓カテーテル検査と呼吸音の聴診を同時に記録できた症例は現在40例であり、呼吸音の解析ならびに心エコー検査などの検査所見との対比を行っている。大動脈弁狭窄症患者において、右心カテーテル検査における左室充満圧(LVFP)は多くの症例で正常であることがわかった。かつて、LVFPのカットオフ値は18mmHgであり、本研究でも18mmHgを超える症例を見つけるためLogisticモデルを用いていたが、18mmHgを超える症例は稀であり、症例数を鑑みて、最新の知見に合わせて15mmHgへ変更を行うこととした。本年度はLVFP推定のためのプログラム作成を行っている。具体的には、右心カテーテル検査で得られる肺動脈楔入圧(PCWP)はイコールLVFPとみなせることから、呼吸音とPCWPの対比を行っている。呼吸音の解析は短時間フーリエ解析(STFT)を行い角周波数毎の時系列データに変換し、LSTMをはじめとした時系列データを扱うアルゴリズムに落とし込み、LVFP15mmHg以上か未満かを推定するプログラムを開発中である。現在はPython言語を用いて開発を行っているが、将来的には処理スピードが速いかつスマートフォンへの実装のしやすいSwift言語での実装を目標としており、PythonとSwiftの連携を学習するため、国内外の学会や勉強会に精力的に参加している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大動脈弁狭窄症患者における右心カテーテル検査の施行件数そのものは年間30-40件と当初の予想とほぼ同様であった。同時に呼吸音の記録も行っているが、カテーテル検査室は騒音が大きく、解析不能とせざるを得ない記録も見受けられた。そのため現在の進捗は100%とは言えず、やや遅れているとした。解決方法としてはカテーテル検査中に記録も行いつつ、カテーテル検査後のリカバリールームでの待機中にも補助的に呼吸音を記録しておくことで、解析不能となった場合の予備としてより静かな環境での記録ができるように工夫を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
大動脈弁狭窄症患者において、右心カテーテル検査と呼吸音の記録を引き続き同時に行い、症例登録をすすめる。また、環境音などの騒音のため解析不能とせざるを得ない症例を減らすため、カテーテル検査中(リアルタイム)の記録を続けつつ、リアルタイムの情報が使えない場合に備え、より静かなリカバリールームでの記録も行うこととした。プログラムの開発に関しては高性能ワークステーションでの実装を目標として、Python言語ならびにSwift言語を用いて継続して行う。
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