Project/Area Number |
23K15135
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
木野 旅人 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (00829608)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 制御性T細胞 / 心筋治癒 / 心筋繊維芽細胞 / Rcn3 / T細胞 / 心筋障害 / 治癒 |
Outline of Research at the Start |
新生児マウスと老齢マウスの心筋障害後のT細胞の役割を遺伝子レベルで明らかにし、その中で、一つの遺伝子に着目し、その遺伝子がどのような機能をもって心筋の治癒に導くかを明らかにする。さらにその遺伝子から作られたタンパクが、生体内でどのような作用を受けて活性を失っているかを精査し、遺伝子改変マウスを作成することで、T細胞と心筋細胞や心筋繊維芽細胞との関わりについても明らかにする。心筋障害後の完全治癒に関わるT細胞とその因子を用いて、心筋障害後の治療選択肢の一つとして発展させることが究極的な目的である。
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Outline of Annual Research Achievements |
Rcn3はCD4+Foxp3+T細胞を介して、心筋の治癒(Regeneration)に関与している可能性が先行研究から明らかになった。Rcn3は小胞体(ER)内に存在するシャペロンタンパクであり、ヒトT細胞(Jurkat cell)株において、心筋細胞障害時にはERストレスが生じ、IRE1やAtf4、Atf6 pathwayを活性化させるが、Rcn3遺伝子を導入したJurkat cellsは特にIRE1とAtf6が有意に活性化した。また、その下流のGRP78/BiPやGRP94、EDEMも同様にRcn3遺伝子導入したJurkat cellsで有意に活性化したことが判明した。Rcn3タンパクは心筋繊維芽細胞に作用して、PI3/AKTカスケードを介してコラーゲンIの生成を抑制していることは以前明らかにしたことからもマウス白血球細胞特異的にRcn3遺伝子をkonck-out(KO)させたconditional KO(cKO)マウスを作成した。Lck-Rcn3 cKOマウスに心筋梗塞を生じさせたところ、日齢1(P1)マウスでは心筋梗塞後に心筋治癒を起こすが、Lck-Rcn3 cKOマウスでは左室機能は完全には改善せず、線維化した心筋細胞の範囲も大きくなることが分かった。その機序としてLck-Rcn3 cKOマウスでは,コラーゲンIとIIIの生成が亢進しており、TGFβやActa2も上昇を認め,線維化の亢進していることが明らかになった.したがって、心筋治癒機能を有するP1マウスでは、CD4+Foxp3+T細胞のRcn3が心筋障害時に生じるERストレスに対して心筋保護的、すなわちコラーゲンI生成を抑制して抗線維化作用が心筋治癒に重要であることが判明した。上記内容を第87回日本循環器学会学術集会(JCS2024)にて口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Rcn3の機能についての基礎検討を行った。In vitroでは小胞体内におけるRcn3の検討を行い、ERストレスに関与する可能性が示唆された。また、Rcn3タンパクを培地に含んだ培養液を心筋繊維芽細胞に与えることで、心筋繊維芽細胞の線維化を抑制することが判明した。In vivoでは、Lck-Rcn3 コンディショナルノックアウトマウスを作成し、そのマウスは心筋治癒の機能を失い、心筋障害後に線維化を抑制できないことが分かった。また、以上、研究進捗状況としては、In vivoの検討まで達しており、計画段階における目標の3/5行程まで達成している。
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Strategy for Future Research Activity |
Rcn3の発現から分泌・標的細胞への移動まで様々な修飾を受けると考えられる。その過程を明らかにするために、様々なタンパクとの結合を調べることができるタンパクアレイを用いて候補のタンパクを検出する。In vivoの実験として、Rcn3を過剰発現させたトランスジェニックマウスを作成し、心筋障害に対する反応、特に線維化について検討を行う。また、In vitroで候補となったタンパクとの生体内での相互作用を検証し、Rcn3活性化または維持に関与する遺伝子・タンパクを明らかにし、心筋治癒の過程を明らかにすることが目標である。
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