Project/Area Number |
23K15140
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
谷 英典 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (40929387)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 心不全 / 三次元心組織 / 心臓オルガノイド / 創薬 / iPS由来心筋細胞 / 三次元心筋組織 / 疾患モデル |
Outline of Research at the Start |
HFpEFの病態は、高血圧や糖尿病、脂質異常症といった併存症により、全身性に酸化ストレスや炎症が惹起された結果、血管内皮の障害が起き、eNOS が関与するシグナル伝達経路 (eNOS-NO-cGMP-PKG 経路) が障害され、左室の拡張障害が生じることであるというのが近年の動物実験で明らかになってきた。ヒトの細胞、組織においてはHFpEFのモデルは確立しておらず、機序の解明や治療薬の開発も急務となっている。本研究の概要は、「HFpEFにおける心筋拡張障害はヒト心筋組織のどういった変化によって引き起こされるのか」であり、心臓病領域の研究における重要な研究課題を担っている。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ヒトiPS由来心筋細胞 (hiPSC-CM) とブタ心臓コラーゲンを用いてEngineered Heart Tissue (EHT) と呼ばれる三次元に配列化したマイクロ心筋組織作製法を組み合わせることで、従来の方法よりも形状維持能が高く、収縮/拡張力の強い成熟化した心筋組織を作製し、創薬と心疾患の病態解明に応用する。この三次元心筋組織の拡張障害を誘導することによって、 臨床的に重要であるものの治療法 が十分に確立されていない、左室収縮能が保たれている心不全 (Heart failure with preserved ejection fraction; HFpEF) をヒトの細胞を用いて培養皿上で再現し、心不全の新たな病態機序を解明し、新規の治療薬や病態マーカーの発見に応用することを目的とする。 現在までに実際に高脂肪酸及びeNOS阻害薬 (L-NAME) 添加下の培地で培養したEHTでは、コントロールのEHTと比較して収縮力は変化せずに、 相対的に拡張時間が有意に延長することを確認した。細胞混入条件の最適化を行い、既知のpathwayが本実験系において再現されることを遺伝子、タンパクレベルで確認した。拡張障害の原因として、組織のstiffnessが上昇しているためと考えられた。さらに既存の心不全治療薬を用いた場合の効果を確認し、治療薬Xの同定に成功した。現在はこうした組織の対象群、心不全群、治療薬群について網羅的な解析を進めており、HFpEFの発祥および改善の機序に迫るべく研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では 1)HFpEFモデル条件の最適化と拡張障害の解析、2)治療薬の評価と新規治療薬の発見、3)新規心不全マーカーの発見 という順序で研究を進める方針であった。 1)HFpEFモデル条件の最適化と拡張障害の解析については概ね完了し、3)新規心不全マーカーの発見についても本実験系において再現性の高いマーカーを同定することに成功している。 2)治療薬の評価と新規治療薬の発見について現在解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定では 1)HFpEFモデル条件の最適化と拡張障害の解析、2)治療薬の評価と新規治療薬の発見、3)新規心不全マーカーの発見 という順序で研究を進める方針であった。 1)HFpEFモデル条件の最適化と拡張障害の解析については概ね完了し、3)新規心不全マーカーの発見についても本実験系において再現性の高いマーカーを同定することに成功している。2)治療薬の評価と新規治療薬の発見については、既存の心不全治療薬を用いた場合の効果を確認し、治療薬Xの同定に成功した。現在はこうした組織の対象群、心不全群、治療薬群について網羅的な解析を進めており、HFpEFの発祥および改善の機序に迫るべく研究を進めている。解析の過程で重要なpathwayが同定され、細胞間の相互作用の重要性が見出されており、今後は組織全体ではなく、培養皿上でより簡易化された状態を再現し、検討を進めていく方針である。
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