Project/Area Number |
23K15187
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53030:Respiratory medicine-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
白山 敬之 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60860062)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | エクソソーム / プロテオミクス / 悪性胸膜中皮腫 / バイオマーカー |
Outline of Research at the Start |
悪性胸膜中皮腫は、アスベストによる代表的な健康被害として、国際的にも大きな社会問題として注目される予後不良の悪性腫瘍である。また、早期発見が困難で、かつ有効な治療法が確立されておらず、Mesothelinを含む既存のバイオマーカーの有用性は限定的であることから、新規マーカーの開発が喫緊の課題である。申請者らは、末梢血由来エクソソームの最新プロテオミクスを駆使することで、早期診断・治療効果予測・予後予測に寄与する悪性胸膜中皮腫の新規バイオマーカーの開発に挑戦する。
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Outline of Annual Research Achievements |
悪性胸膜中皮腫患者と健常人の血清からエクソソームを単離し、LC-MS/MSによる網羅的解析によって、大量の蛋白を検出することを行った。血清エクソソームのプロテオーム解析を行い、DIA法によって網羅的に同定された蛋白数は3930と既報と比べ圧倒的多数であり、さらに新たなバイオマーカーを見出すことを可能にした。健常者コホートと比較して、悪性胸膜中皮腫患者では、有意差をもって高値となったことを確認した。本研究では、悪性胸膜中皮腫患者と健常人の集団から採取した血清中のエクソソームを特定し、単離する手法を用いた。この単離したエクソソームに対して、質量分析技術であるLC-MS/MSを適用し、DIA法によってプロテオミクスの網羅的解析を行い、3930種類の蛋白を同定することができた。これは既存の報告と比較しても圧倒的な数であり、悪性胸膜中皮腫の診断や治療に関連する新たなバイオマーカーの発見につながる可能性が示された。さらに、健常者の血清エクソソームとの比較解析を行い、悪性胸膜中皮腫患者のサンプルでは特定の蛋白が統計的に有意に高いレベルで検出されることを確認した。この結果は、これらの蛋白が悪性胸膜中皮腫の診断や治療の指標として利用できる可能性を示唆しており、この研究の成果は、悪性胸膜中皮腫のバイオマーカーとしての応用だけでなく、将来的な臨床試験における利用を見据えた基盤研究としても重要な意味を持つと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例集積をかさねていっている状況です
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Strategy for Future Research Activity |
先に述べたように、悪性胸膜中皮腫患者と健常人の血清からエクソソームを単離し、LC-MS/MSによる網羅的解析によって、大量の蛋白を検出や血清エクソソームのプロテオーム解析から新たなバイオマーカーを見出すことを可能にした。今後の研究の方策としては、MRMによるターゲットプロテオミクスを行い、さらなる絞り込みを行う予定である。大規模検証の対象とする血清サンプルは当教室の血清バンク約6500例(肺小細胞癌約100例、肺扁平上皮癌約100例、健常約100例)を利用し、悪性胸膜中皮腫において真のバイオマーカーとなり得るかどうかを検証する予定としている。サンプル数を増やし組織別、治療効果や予後予測との相関性を検証し、既存のバイオマーカーとの比較を行う計画である。最終的に、WBとELISAによる再現性と実用化まで検証する方向で検討している。さらに、バイオインフォマティクス(IPA解析)により病態や病勢を反映するpathwayの変動を解析するとともに、Cell line や患者から得られた悪性胸膜中皮腫細胞を使用したIn vivo や In vitroの実験にて、新規病態の解明を目指したいと考えている。
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