Project/Area Number |
23K15188
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53030:Respiratory medicine-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
白井 雄也 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (50899945)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | ポリジェニックリスクスコア / 患者層別化 / 間質性肺疾患 / ゲノム / プロテオミクス |
Outline of Research at the Start |
本研究では、200名の間質性肺疾患患者のデータセットと公共データを活用し、ゲノム-プロテオーム-臨床情報(病型、進行性線維化、抗線維化薬の反応性、急性増悪)の横断的オミクス解析を行うことで、原因から表現型への一貫した評価を行う。最終的に、抗線維化薬症例の最適化、創薬ターゲットの探索など、間質性肺疾患における個別化医療への応用を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
計196サンプルの特発性肺線維症(IPF)患者の血液からDNAを抽出し、SNPタイピングを施行した。公開されているIPFのGWASデータから疾患予測のためのpolygenic risk score(PRS)を構築し、今回取得したDNAサンプルに対してPRSモデルを適用することで、個人毎の疾患発症リスクの予測を行った。さらに、疾患の発症予測に止まらず、ゲノム情報に基づく疾患内の層別化を目的に、特定の生物学的プロセスやパスウェイに関連する遺伝子に焦点を当てたパスウェイPRSを作成した。パスウェイPRSは様々なパスウェイで計算することができるため、解析対象とするパスウェイの選定が重要である。現在、臨床病型に紐づくPRS開発のため、計算した各パスウェイPRSと臨床情報との関連を解析している。 プロテオミクスに関しては、患者血清からエクソソームを抽出しエクソソーム内のタンパクの網羅的な定量を行った。定量には次世代プロテオミクスであるDIA(Data Independent Acquisition)を使用することで、血清エクソソーム中の2420のタンパクの定量に成功した。健常者との比較により、IPF特異的に増加しているタンパクを同定した。更に、IPFで増加しているタンパクをクラスタリングすることにより、患者間でタンパクプロファイルが異なっていることを見出した。特に一部の患者集団では補体系の亢進や肺サーファクタントの増加を認め、患者層別化への可能性を見出した。 肺組織のシングルセルデータに関しては、予定していたIPFの肺組織5検体のシングルセルシークエンス(トランスクリプト―ム+表面タンパク)のデータ化、及び細胞アノテーションを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゲノム、プロテオミクス、シングルセルの3つのデータ化は完了した。特にプロテオミクスの解析からは患者内でのタンパクプロファイルの違いを確認し、補体系や肺サーファクタントタンパク量による患者層別化の可能性を見出しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲノム情報に基づく患者層別化に向けてパスウェイPRSと臨床情報との関連を検討する。肺シングルセルデータに対して、パスウェイPRS解析から得られた病態形成に関わるパスウェイ、及びプロテオミクスから得られた補体系の亢進などを確認する。 現在はゲノム、プロテオミクス、シングルセルを個別に解析している状況だが、本研究の目的はゲノムから臨床病型にいたるメカニズムの解明であり、今後は3種のモダリティから得られたデータに対して統合的な解釈を行う予定である。
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